issue*12イギリスミュージックシーンを振り返る〜80年代

ツートーン・ブーム

 1976年の失業率増加からくるフラストレーションを爆発させる形でイギリスに起こったパンクムーヴメントは78年にセックス・ピストルズの解散と共に終わりを告げた。
 その後パンクの精神はスカやアフリカンミュージックが受け継ぎ、その流れは新しい可能性を求めニューウェイヴへと発展していく…スカ、ニューロマンティックス、エレポップ等、本当に様々なスタイルがこの時期生まれて行った…

[ツートーン] 80年代の幕開けと同時にロンドンでは白黒市松模様のファッションとスカ・ビートで大ブームとなるツートーン・ブーム。スペシャルズの1stに収められている「New Era」、ボーカルスタイルはピストルズを感じさせ、サウンドはパンクの要素とスカをうまくミックスさせた新しい形の曲でこの時代の幕開けを象徴していた。

 そのスペシャルズを筆頭にビートやセレクター、そして自らのサウンドを"ナッティ・サウンド"と呼び世界に飛び出したマッドネスはスカだけの枠にとどまらないポップなサウンドも聴かせ、2トーン・ブームのあとブリティッシュインヴェイションの波にも乗り全米でもヒットを飛ばす。80年から81年にかけてイギリスでリリースした8枚のシングルはすべてTOP10入りし、スペシャルズの解散を境にツートーンブームが去ったあと、86年のマッドネス解散まで全英トップ40に22曲チャート・インさせ、そのうち20曲が20位以内という人気ぶりだった。82年絶頂の中解散したジャムが"イギリスが生んだ最もイギリスらしいバンド"だったように、彼らのセンスやユーモアもイギリスからしか出てこない、イギリスの匂いを感じさせるバンドだった。日本では自動車のCM(ムカデダンス)でのイメージと「アワ・ハウス」の一発屋的イメージが強く、彼らの本来の魅力が伝わっていないのが残念でならない。

 92年にイギリスで突如として起こったマッドネスリバイバルブーム。「It Must BeLove」(邦題:イット・マスト・ビー・ラヴ)が3/7日付全英シングルチャートで6位を記録し、その後発表したベスト・アルバム「Divine Madness」(邦題:ベスト・オブ・マッドネス)は3/14日付全英アルバムチャートで堂々の1位を記録。2週間首位の座をキープした。ここでもやはり音楽、名曲は永遠に不滅なのであった。

[マッドネス]

 彼らはこの年、ロンドンのフィンズベリィ・パークで再結成ライヴを行なっている。2日間で8万人のファンを集めたこのライヴ、私はビデオで見たのだが、はじめてのマッドネスライヴに少し興奮気味で見ていたのを憶えている。4万人のファンの大声援の中ステージに上がる7人。歓声と無数のフラッシュが彼らを包みしばらく観客をジッと見つめるシーンに思わずグッと熱いものがこみ上げてくる。その何秒かの暗黙のうちに観客との波が一体化していく、そしてチャスのおきまりの"ヘイ・ユー"のナレーションで始まる「ワン・ステップ・ビヨンド」!涙があふれた…この国の国民がこのバンドを心底愛しているのだとこの映像を見て感じずにはいられなかった。だから本当にうれしかった。その場にはいなかったが、体が動かない訳がない!私も観客の一人になっていた!その後マッドネスとしての新作は残念ながら出てないが、ボーカルのサッグスはソロに転向し、95年、98年と2枚のアルバムを発表している。

 特に95年の「The Lone Ranger」(邦題:ザ・ローン・レンジャー)はイギリスで大ヒットし、サッグス健在をアピールした。今年の5/25日に、昨年4月ロスアンジェルスで行われたマッドネスのメンバーでのライヴを収録した「Universal Madness」(邦題:ユニバーサル・マッドネス)が日本でも発売されました。近年スカコアがブームになる中、彼らの影響を受けてきたバンドも多く、そうした意味では最近のアメリカの若者がこのバンドに対してどんな反応しているのか楽しみな一枚である。

 

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〜ゲスト:ボブ佐久間


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