« フリル 【frill】 | メイン | アイビー【ivy】 »

2004年12月10日

エスニック 【ethnic】

 エスニックとは、「民族の」という意味の民族服を代表する言葉
 とした使用されている。正確には、エスニック・スタイルとかエ
 スニック・クローズなどと言うのだろう。服飾辞典によると「多
 分に宗教的な意味が加味される。つまり、キリスト教に対して異
 教徒という意。したがって、同じ民族調とはいっても、エスニッ
 クという場合はキリスト教圏外の地域のそれをいう」とある。

【歴史】

 1973年 ファークロア(素朴な西洋農夫ファッション)が流行。
 ヒッピー・スタイルなども含めると民族服ブームの火付け役的な存
 在になった。

 ファッション評論家の深井晃子氏は、「エスニックもフォークロアも、
 オリエンタル(東洋的)、コロニアル(植民地)、トロピカル(熱帯
 の)、プリミティブ(原始的な)などを含めて、都市着に力がなくな
 ったとき、異国的な優しさ、懐かしさなどを求めて、いつも新しいエ
 ネルギー源となるイメージとなった」と言う。

 1986年 春夏コレクションでインド、中東などアジアの国々の民
 族衣装をイメージしたデザインが数多く発表されたが、日本では流行
 するまでにいたらなかった。むしろ、89年頃にサンタフェスタイル
 やロングフレアスカートなどが流行し、カントリー調、エスニック調
 アイテムがブームになる。

 2002年 アフガン戦争を期に中東アジアに関心が寄せられたこと
 もあり、民族服ブームとなる。ジーンズ+透けた素材のプリントスカ
 ートの重ね着などは、大ブームとなる。

【現状】

 毎日流されるテレビによる映像の力は、社会生活全般に大きな影響を
 及ぼす。まったく知らなかった国や都市を知ることで、衝撃を得たり、
 映像が焼きつき、真似をしたい衝動に駆られる。テレビドラマや映画
 の主人公のスタイルや洋服、小物雑貨が飛ぶように売れるのに似ている。

 異教徒や異邦人とのブラウン管を通しての鮮烈な出会い。悲惨さや惨
 めさ以上に、イメージがふくらみ、ファッションやスタイルが一人歩
 きしている。ウェブ上にも、星の数のエスニック商品を扱ったサイト
 がある。安くて、楽しさに満ちている。中華街に迷い込んでような興
 奮を誰だって覚えるかもしれない。確かに、エスニック・ブームは、
 ベーシックに飽きた時にやってくる。

 http://www.fashion-j.com/item/ethnic.html

【未来】

 「日本人は、世界の裁判官になる」と断言するアメリカの学者がいた。
 宗教心がない点、民族や言語で孤立している点などが上げられていた。
 ファーイースト(極東)とは、言い得ている。飽きっぽいが、貪欲に
 目新しい文化に興味を示す。平和的に理解をしようと努力をする。好
 き嫌いを全面にだして、大声では言わない。

 エスニック・ブームは、何年かに一回必ずやってくる。ユーザーも店も
 やり続けることも大切だと思う。中国ブームや中南米ブームだってある。
 中南米の商品を扱っているチチカカという店がある。1981年、渋谷
 に開店した当時からのファンだ。先日、横浜中華街へ久々に行った。シ
 ルクロードを旅しているような錯覚を覚える「チャイハネ」 という店も
 ジャンクで面白い。1978年から横浜中華街南門で創業している老舗。

 いつ会っても同じ気持ちにさせてくれる親友のように、エスニック感覚
 は心のどこかに住みついているのかな。たぶん、多くの人が、同じよう
 マイフェイバリット・ストアを持っている。エスニックとは、心のふる
 さとかもしれない。それにしても、本国へ行った時より本物っぽいのは、
 なぜなんだろうか。中国より中国っぽい中華街。
 (週刊ファッション情報 井上和美著)

【関連サイト】
 チチカカ http://www.titicaca.gr.jp/  
 

投稿者 kaz : 用語データ一覧