December 09, 2005
フィッシャーマン

セーターを編んでいる姿にのんびりとした時代のまったりとした時間の過ごし方を思い浮
かべる。先日、フィッシャーマン・セーター
を着ている男性がいた。野沢弥市朗著の「
アイランド/アランセーターの伝説」によると、一般的にフィッシャーマンセーターとも
呼ばれるアランセーターは、アラン諸島で編み続けられ、その編み柄には、漁に出る夫の
無事と豊漁を願う女たちの祈りの意味が込められている。その組み合わせは、家々の編み
手によって家紋のように異なり、母から娘へと伝承されているという。
万一、不幸にも漁での溺死者が岸に打ち上げられたときには、着ているセーターの柄でそ
の身元が判断できたといわれている。ハイテク社会だからこそ、それぞれに個性がある家
紋付きの手編みのセーターなどの必要性を感じてしまう。漁夫が防寒用に着たセーターに
重要なキーワードが潜んでいた。タータン・チェックなど柄もそれぞれの家紋だと聞く。
謎解きに似た不思議な世界に迷い込んだような気がする。失ってはいけないルーツのよう
な気がしてならない。