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December 10, 2005
ラッパー

大きなリムジンが、EMIN∃Mの文字を貼って街を走る。「唯一の安らぎがラップだった」
という白人ラッパーがエミネムのアルバム「カーテン・コール」のキャンペーンカーが走
る。「ダークストーリー・オブ・エミネム」という本では、政治と経済に見捨てられたデ
トロイトのスラム街。いじめられっ子として育った少年時代のエミネム。初の主演映画『
8マイル』出演など貧困と人種差別の中で育った真実がつづられている。ラッパ
ーの壮絶な人生。そこに若者達が共感する。
そもそも、ラップは1970年代にニューヨークで生まれた黒人音楽のスタイルだそうだ。
ビートに合わせた早口のおしゃべりに、社会的な主張を盛り込んだものをいう。痛烈に、
社会批判や世相を反映したスラングをちりばめた音楽は、中世ヨーロッパで各地を遍歴し
た吟遊詩人のようなものなのかもしれない。差別による新たな差別。矛盾した社会の中で
必死に叫ぶ音楽は、すでに米国だけのものでは、なくなっていた。ヒップホップとして、
世界中に定着した。