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アンファッショナブル・ファッション日記 2007年5月

No.2 (2007年5月)

5月某日 やすみ、やすみ


と、浮かれていたが、それではあかんのだろう、叱られるように、この連休中日、校正原稿がひとつ職場に届いた。連休明けに出さねばならいようだ。今年こそはと思っていたが、これならいつもとおんなじやん。働いている友人も多いし、完全に休みなんてはじめから無理だとわかっていたのだが。

仕事とはまったく関係なく、気分はクリーガーの対位法、わたしのぼろキーボードでいつまでも弾いていた。いろんな気持ちが入り交じっていて、ひたすら弾いていると、5月は来た、朝ごはん食べてから何も食べていないことに気付く深夜、ただ指を動かして。空腹なことに気付くとたまらなく空腹になってくるのでたちが悪い。少し離れたコンビニに行く。

家からは遠い方のローソンの店長、しゃべりに特徴があり、抑揚がありリズミカルで素晴らしいのだ。しかし、接客は、かなりどんくさい。お釣り渡したり、レンジからあたためた商品出したり、電話料金明細書渡したり、かなり遅れており、というより先にすべて言葉が出るのだ。

しかし、この声のトーンや音楽のように流れる言葉を体験すると、もう他のコンビニには行けないなあ。わたしの馴染みのスーパーやパン屋まで、のっとられそうな勢い。というわけで、冷蔵庫もやすみで何も入っておらず、今夜はハムとモッツァレラのトルティーヤで晩ご飯。明日は早いので眠らなければ。


5月某日 催淫作用ゆえ?


ゴールデンウィークも後半、大阪のサントリーミュージアムでやっているダリ展に行く。思っていたダリと違っていた。エキセントリックなイメージが強いが、すごく生真面目な印象。ダリが作っていたという本や、挿絵や生原稿なども並んでいる。文字が絵のようだ。友人に「ダリが好きなら、行かんほうがいい」と言われていた。ゴールデンにつき、騒ぎまくる子供を連れた家族客や、絵の前でなぜか抱き合っているカップルなど、頭かしげること多く、とにかく混んでるし、ダリどころやない、と言っていた。その日は雨だったからか、空いていて、とにかく本が見れたのがよかった。あとは「催淫作用のあるタキシード」などの、奇想天外な衣装作品にも弾かれた。無理してでも来た甲斐あり。


5月某日 叱られたい、やさしいから


仕事の合間に目医者に駆け込む。好きな眼科医がいて、以前「眼帯ガール」という詩にもしたことがある。ゴールデンウィーク中に京都の京北町に山菜摘みに行き、その場ですぐ天ぷらにするという、繊維メーカー時代の同僚とのアウトドア行事があった。河原で裸足になり、ほとんど野生児のように、山菜摘みそこそこに山へ入り込み、はしゃぎまくっていると、枯れ枝が突然片目に突き刺さった。サングラスしとくべきだった!目の敵は強い日差しや紫外線だけではない。

白目の目頭近くに傷がついており、黒目は当たってなかったようで助かった。とりあえず応急処置にしたのが、冷蔵庫に置いてあった抗生物質入りの目薬。なんぼなんでも4年前のは古すぎる、とやさしいかんじで眼科医に怒られた。前も「おとなしくしとかな、見えへんようなりますよ」と、やさしいかんじで怒られたときも、すぐおとなしくした。もっと叱られたいなあ。ピアニシッシモなかんじで。


5月某日 Spring Mackintosh


モンポウのショパンが
舞い降りてくるような
季節の移り変わり
大切な春のコート

わたしの服
知りませんか
なじみのクリーニング屋さんに尋ねる
顔見知りになってから半券を保管しなくなって

煩雑なクローゼット
アンドゥムルメステールの冬の服
その複雑なデザインに紛れていて
見えなくなっていたのだ

ごめんなさい
店番していた少年よ
あなたは親身になって探してくれた
春キャベツのようなお菓子をもっていく


5月某日 近況


研究室の後輩が編者になり、若手研究者中心に教養向け教科書を書いた。読み物にもなる仕上がりで、わたしは「ファッション」を担当。献本していた神戸新聞の記者がわたしの「近況」(というコーナー)として取りあげてくれるという。その取材を受ける。
 
「週刊ファッション情報」サイト内でも早々と本の紹介をしてくださる(ありがとうございました)。京都のナカニシヤ出版から発行の「知のリテラシー・文化」。血気盛んな知の集合体と言いたいところ。漫画にはじまり、ファッション、映画、音楽、建築、写真、絵画、美術工芸品、食文化、スポーツで終わる。

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