週刊ファッション情報

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アンファッショナブル・ファッション日記 2009年6月

No.10 (2009年6月)

6月某日


仕事帰り、友人に誘われて行った個展がおもしろかった。根村深「ボーイッシュの研究」。行く前から、「この人、男?女?」「ボーイッシュの研究って何?」と、色々と想像が広がる広がる、シンプルなDM。作品は、アナグラムがカオス状に展開してその結果、平面に貼り付いた、みたいなかんじ。神戸は大倉山にあるギャラリーGusto Houseにて。地下にある静かな部屋から出てきた作家さんは、まさに少年のような人。初個展とのこと。今後も期待大です。


6月某日


映画「タッチオブスパイス」を見る。湊川公園のパルシネマしんこうえんにて。二本立てで「パリス」もやっていたが、夜に約束が入ってたので、一本で映画館を出る。レディースウィークらしく、一週間いつ行っても千円だった。三度の飯よりも(飯を)作ることが好きな少年が主人公。それはスパイス屋の祖父仕込みの腕。しかし、男子厨房に入らず、料理を禁じられてしまう。コンスタンチノープルが舞台。トルコにいけばギリシャ人といわれ、ギリシャへいけばトルコ人といわれる。軽いタッチだが問題作。


6月某日


週末、以前教えていた学生さんに誘ってもらい、久々ライブに行く。想い出波止場@梅田シャングリラ。大阪のライブという感じで終始クダけた感じでリラックス、しかし演奏始まるや、悲しく激しくむせび泣くサイケという感じがわたしにはして、で、脳天は早々にやられてしまう。隣に知ってる人がいてくれる、と思うと、まあ倒れてもいいよ、と思うが、すっぽり黒いビロードカーテンに自分が包まれ、途中混乱、消失。


6月某日


5月に開催した詩の教室の冊子を鋭意作成中。表紙のイラストを待っていたが、やっと到着。教室にも参加してくださった森元暢之さんが描いてくださる。やっぱりプロはすごいなあ。よいイラストが来ました。感謝です。で、さっそく冊子作りを再開。妹にも手伝ってもらい、透明のカバーをつけて、あとは糸で綴じる。参加してくださった方にはできるだけ手渡しで、無理な人々には郵送する。限定17部、A5版の可愛い本になった。


6月某日


金曜の夜。一週間の疲れから、顔は真っ黒、髪はぼっさ、頭も体もふらふらしているが、友人と会う。海で待ち合わせ。わたしは贈り物にとその辺の枯れかけた薔薇を入手。そんな熟れきったような花を渡され、友人は苦笑、海へ投げた。日も暮れかけていたがフィッシュダンスを拝む事ができ、うれしかった。スタートはスパークリングワイン、続いてロゼがなかったので赤ワイン、珍しくパスタ、ゴルゴンゾーラにたっぷり蜂蜜をかけて、自家製のパン、だらだらいつまでも飲み食べ喋る。何を喋ったのかまったく覚えていない。ただ、投げられた花の行方をおもう。


6月某日


三沢光晴死去。家族や友人が朝から連絡くれる。わたしの新詩集にノアのことを書いた作品があって、それを思い出して本を鞄に入れて外へ出た、という友人。わたしは外へ出ていて、本がない。言葉を思い出す。彼のシンボルカラーは団体のそれと同じくグリーン。コスチュームもエメラルドグリーンだ。プロレスを見ない父は「選手もやって、社長もやって、大変だ」と言っていた。ただ悲しくて、残された選手たちのことを想った。


6月某日


美容師さんはすごいと思う。髪のスタイリングをするわけだが、服などの流行と同様にヘアスタイルにも流行があるし、それも個人個人の好みもあるし、年齢も職業も多種多様で、色んな人に対応できる、1時間くらいでオーダーメイドに近いカッティングを施す、すごい仕事だ。いつものお店に突然電話する。いつもながらに申し訳ないが、衝動でないと髪を切ることがわたしはできない。上を向いて歩こう、の意味を教えてもらう。もうやめよう、もうやめよ。影のフィギュアにハサミを入れて、わたしを魚の形に仕上げてくれる。


6月某日


桜桃忌。太宰治の命日にして誕生日。生まれてすみません。太宰生誕百年で文芸誌は特集組みまくり。わたしは神戸新聞の編集委員の方から取材を受ける日。金曜の夕方=つまり、顔は真っ黒、頭も体もふらふら、しかし髪だけは昨日ちゃんとセットしてもらっている。極度の緊張により何をしゃべっているのかわからない。写真が苦手でいったん依頼を断ってしまったが、辣腕記者さんの柳のような説得ですぐに翻る。髪も翻る。風の強い日。神戸でかつてファッションを学び、神戸で今ファッションを教える。そんな神戸とのご縁を話した。


6月某日


ドグマ出版の香山さんが取りまとめられるという、京阪神のミニコミフェアが、ジュンク堂書店新宿店「ふるさとの棚」コーナーで開催されるという。わたしも有り難くお誘いを受け、小冊子を作る。三冊出展のうち、一冊は才能豊かな学生さん達と一緒に仕上げた。タイトルは『借家の介抱』。学生さん達が主催している借家レコーズの会報も意味している。エッセイあり、コラージュあり、写真あり、わたしも詩を書き下ろし、なかなかの本ができあがった。わたしがディレクションを担当、制作・編集を不眠不休で仕上げたのは若き彼ら。洞察力、批評力、表現力、どれをとっても素晴らしいーと手前味噌ですが。お近くに寄られた方は、ぜひ見てやってください。秋まで展示販売しているとのこと。


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