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    <title>アンファッショナブル・ファッション日記</title>
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    <updated>2008-04-01T05:18:41Z</updated>
    <subtitle>小野原教子</subtitle>
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    <title>No.1 （2007年１月）</title>
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    <published>2007-01-27T02:07:55Z</published>
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    <summary>京都で院生をやっている頃から『週刊ファッション情報』で「ファッション論」の原稿を...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[京都で院生をやっている頃から『週刊ファッション情報』で「ファッション論」の原稿を書いてきました。もう９年目で時の経つ速さに驚いています。この場所はわたしの原点であり、さまようわたしがいつも還ってくる場所であり、これからもここで成長していきたいので、今年一本目、４月を前に、今回から第三期として新しいスタートで、年に４回「アンファッショナブル・ファッション日記」として発行していきたいと思っています。この日記スタイルは、第一期（1998-2002)の頃に同タイトルですでに試みたことがあり、ブログが安定している今のネット時代の環境にあらためて取り組みたいと思っています。第一期の頃のものもそうですが、第二期（2002-2007)のものも、タイトルのみ目次を掲載し本文へのリンクをはずし、書き直しをしていきたいと思っています。もし過去のものでこれが読みたい！と思われる方がいらしたら、著者にメールください。今後ともどうぞよろしくお願いします。


<h4>1月某日　わたしは此処にいます</h4>

 年賀状の一言メッセージをいつもうなって考えます。これに失敗し葉書をボツにすることも少なくありません。写真やイラストや絵などの力作のある方がとてもうらやましいです。それだけで十分もらった人はうれしいですから。

 いちばん古いつきあいの友達から来た今年の年賀状は、彼女と遊んでいた頃の年齢になった子供の写真が映っており、その子供たちが当時の彼女にそっくりで驚きました。息子と娘を足せばまさに彼女のできあがり。彼女のわたしへの一言メッセージは毎年同じです。

 「今はいったいどこで何をしているんですか？」

 これに「誰と」が入る年もありました。今年は「？」が三つもついていました。
 ちゃんと年賀状を受け取っているわけなので、わたしは此処にいます、とつっこみますが。

 毎年賀状に書き下ろす詩片を気に入ってくださっている方がいらっしゃいます。以前は人の詩を選んでましたが、自分が詩書く人間なのにそれはおかしいと父に言われてからは自分で毎年作っています。今年は「航（わた）る」というタイトルで書き下ろしました。


<h4>１月某日　　Happy Birthday,</h4>

 David !

 今日はデヴィッド・ボウイの誕生日でした。Heroesを聞く（ドイツ語ヴァージョン）。わたしがはじめてギターでマスターしたのがこの曲です。

 映画「戦場のメリークリスマス」の登場人物たち、坂本龍一、ビートたけし ともに、カプリコンで、カプリコン（山羊座）たちの間では当時は話題になりました。パティ・スミスもジャニス・ジョプリンもカプリコン。


<h4>１月某日　働きざかりっていいな</h4>

 今日はファッション雑誌６０冊に目を通しました。ほんとは１００冊の予定でしたが、ELLEと25ansはとりわけ重く、紙が綺麗なので急いでて手を切ると危ないので、やめたのです。しかし、VOGUEはおまけが多い。おまけに泣かされるわ。はたらきざかりっていいな！こうよく唱えているという友人。わたしも唱えてみる。働きざかりっていいな！ファッション雑誌と格闘しているときはそう思うわ！　糸で綴じられ、筋が通っているものには、取り組み甲斐があるもん！


<h4>１月某日　恋人を偲んで</h4>

 実家で飼っている犬の近況写真が上記タイトルで送られてきた。

 マイ・ヴィヴィアンのなかで一番古いやつ、World's EndのＴシャツの上になんと座りこんでわたしを偲んでいるらしい、そんな写真です。うれしいよな、かなしいよな。

 とりあえずわたしのところにいまある締め切りは、今日現在で残すところあとひとつに。
 今月はこれを片付けると、わたしを待つ恋人のもとへ飛んでいけます。待っててね。


<h4>１月某日　家って何？</h4>


 家のなかがどんどん紙や本類で埋もれていき、なかなか仕事に集中できない。片付けるにはもうスペースがない。逃げ場のような馴染みのカフェでは、知り合いに会う確率が増えていき、楽しい気分で、仕事する気もなくなるので、結局、また別の逃げ場へ。

 家って一体なんなのかなあ。寝る場所、お風呂に入る場所（＝本を読む場所）、電話で人と語らう場所、物置き場？　そうなると、人間は？となるので、物を整理しないといけない。やっぱり眠る場所、明日への活力を養う基本的な場なのかなあ。

 イギリスではノーマルな、他人と同じ家で暮らすっていうのは、やはり大変、そうなると社会になるからなあ。社会でうまく休めるような能力がつくかもしれない。

 いや、しかし、家には自分の好きなものがたくさんあるので、仕事するとき誘惑に打ち克つのは難しい。好きなものに囲まれまくる空間。家は大切。


<h4>１月某日　Where tomorrow?</h4>


 わたしのゼミ生、可愛かったです。
 今日は課外学習。最終の市場調査と、ランチ食べながらの最終プレゼンを終え、彼ら彼女らは三々五々に去っていきました。
 かしこいし、きちんとしてて、ユニークで、指導教員に似ず、できがよかった。
 さようなら。よい未来があなたたちを待っている。


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    <title>No.1 （2007年２月）</title>
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    <published>2007-02-27T02:48:18Z</published>
    <updated>2007-03-27T20:43:54Z</updated>
    
    <summary>２月某日　When today?  宅急便、来うへんやん！  一月終わりました。...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[<h4>２月某日　When today?</h4>


 宅急便、来うへんやん！

 一月終わりました。二月が来て、冬らしい季節になった。
 昨日 Ah snowflakes　っていう言葉が入ってる原稿（もうすぐ出る漫画単行本の英訳）を校正していると
 本とに雪が降ってきた。寒いなあ。冬です。

 待つことが慣れっこになってくると、待ってないとなんだか落ち着かない。
 もう待たなくてもいいよ、と言われても、待ってるポーズを続けていると、
 やっぱり待たねばらないわたしになっているのだった。

 本日お手元に届くはず、ということでしたが、When today?

 今日は先月３回も会いそこねた人と会う。会えたらいいなくらいに思っておこう。
 実は今日も一度会いそこねている。携帯電話を持たないわたしたちは、この社会に無駄の多いわたしたちになるのか。
 宅急便が来たら、出掛けられる。


<h4>２月某日　赤い菜っ葉服</h4>


菜っ葉服とは、なぜそう呼ばれるのだろうか。色が白くて、瞳が澄んでいて、声が藤原紀香そっくりの美しい友人が、菜っ葉服を着て、英語を使う仕事をしています。その姿を見たことはないけど、想像するととても色っぽいかんじがして、菜っ葉服、についていろいろ考えています。


<h4>2月某日　山羊にひかれて</h4>


修士論文でも博士論文でも大切に引用させてもらった風俗研究家の海野弘さんが来神されました。前回来られたときは、以前のファッション論の「不器用な愛」の回でも書いたけど、着物を着て出掛けました。この土曜日は午後に京都でプロレス研究の仕事が入っていたので、トークショーに出掛けるのは諦め、着物を着る余裕もなく、何か軽くていいものをと探した「におひ袋」のお土産を持っていくのが精一杯。

父とほぼ同い年の方ですが、有名なアールヌーヴォーの研究はもちろんのこと、すでに著作は百冊を超えているそう。わたしの研究に直接関係もある近年の「ダイエットの歴史」「セレブの文化史」なども見逃せない。テレビなどのメディアにご本人が登場することはこれまで一切なく、しかしその軽やかな風のような気持ちのいい文体は、誰もがどこかで一度は触れているのでは。それほど海の風はいろんなところに吹いています。「花椿」のエッセイなど、コンパクトにまとめられていますが、若輩者がいうのは変かもしれないけれど、切り口が秀逸で、文章を書くものとしてほんとうに勉強になります。

二次会（三次会）では歌を歌われました。これは本邦初公開という噂。わたしもその場の流れでカルメン・マキの「山羊にひかれて」を歌いました。「心に染みた」と言ってくださってたと後で聞いた。緊張のあまり、泣きそうでしたが、酒の席での恥はかき捨て（？）で、歌う。海野さんとの歌の宴は大切な秘密にしておきたかったのに、次の日にはそこにいなかったはずの父に「海野さん、歌ったんやろ？」と電話で聞いて、びっくり、日曜日の古本屋ではすでに噂になっていたようです。


<h4>２月某日　ゴシック・ヌードル</h4>


 黒胡麻担々麺にはまっています。いいかげん店に行くのが憚られ自分で作ることにする。

 豆板醤、甜麺醤、黒胡麻ペースト、醤油を準備する。鶏ガラスープに青梗菜とネギまでは同じだけど、わたしはトマト、えのき、胡瓜、を入れ、挽肉の代わりに牡蠣と干しエビを入れる。おいしそうな手打ち麺が見あたらず、稲庭うどんを入れることにした。イメージよりスープがさらさらしていて、水分が多いのか胡麻が足りないのか。ほんまもんにはどれだけ黒胡麻が入ってるのだろう。考えると恐ろしくなる。二日目は残ったスープに直接うどんを入れて煮ると、どろどろになったので、卵を加えて、モダン焼のようにし、ポン酢をかけて食べた。


<h4>２月某日　チョコレートいろいろ</h4>


 14日、移動が多かったのですが、電車の中でチョコレートを食べている光景に何度も出くわしました。

 女子高生の女の子たちが、リボンのついた包みをおもむろに開いて、かじりながらおしゃべりしまくっていました。おそらく女の子同士で交換されたものなのでしょうか。制服のエンブレムがかわいかった。ほほえましい。（神戸市営地下鉄線）

 仕事帰りというよりも飲んで打ってきた帰りといったほうが正しそうなおっさん二人がこれまたチョコレートの包みをおもむろに開いて、口にほうばりながら罵倒しあっていました。チョコレートは景品なのか、誰かにもらったものなのか。（大阪環状線）

 家に帰る前に食べねばならないのだろうか、それとも食べたいのか。もらったという事実を公表したいのか。高級チョコレートブームですが、重みはだんだんなくなってきてるかんじやね。


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    <title>No.1 （2007年３月）</title>
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    <published>2007-03-27T02:52:47Z</published>
    <updated>2007-03-27T20:45:05Z</updated>
    
    <summary>3月某日　あの言葉  今夜は誘惑に打ち克ち、仕事を終えて、まっすぐ家に帰ってきま...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[<h4>3月某日　あの言葉</h4>


 今夜は誘惑に打ち克ち、仕事を終えて、まっすぐ家に帰ってきました。もう書かない、あの言葉は！

 戻ると友人から本が届いており、よく見ると宣伝予告の頁にわたしの名前がすでに刷られてるよ。まだ一行も書いていなので、あせります。映画でイギリス文化を語る内容でシリーズもの。わたしはファッション中心ですが、好きな監督であるケン・ローチやマイク・リーなんかも扱う。時間があまりないので、早速催促が来ており、早く取り組まねばならない。

 今日は全身黒のファッションで。なぜなら、あの言葉の誘惑を表現したかったからです。もう自分で作るしかないかなあ。そういえばゴルチエが衣装担当した映画もあって、ひさびさにゴシックなかんじをかぶります。ゴシックヌードルということで。ああ、あの言葉、書きたい！


<h4>３月某日　麦の穂をゆらす風</h4>


 ＤＶＤが４月２５日に出るらしく、原稿書くのに間に合わないので、大津まで映画を見にいかねばならない。今週から来週は３月いちばんの仕事ピーク時期なのに、眠いわ、移動時間が惜しいわ、しかしあの映画、映画館でもう一回観るのへヴィーや。自分で選んだのでしょうがない。軍服の話、ナショナリティを象徴する色や歌。


<h4>３月某日　チェリーボム</h4>
 

 部屋の掃除をする
 猛烈に
 夕方は深夜になり
 やがて朝になり
 また雑巾もっていた
 おひなさんを出すために

 苺の焼菓子をお供えにして
 お内裏さまは左側にして
 ひとつひとつ
 一年ぶりの春ですね
 ふたりの白い顔には
 触れてはいけないらしい

 掘り出しものがあると出掛けた
 神戸古書会館で見つけたのは
 「おひなさまの飾り方」
 神戸三越のリーフレット
 古い薄いものを買う春の日

 ねむたい
 旧節句で
 おいのり
 桜爆弾


<h4>３月某日　卒業しなきゃ。</h4>


 今夜でゴシックヌードル卒業しました。一緒に来てくださった方々、有り難うございました。また、夢でゴシックヌードルの幻を見させてしまった畏友にもお詫びを、申し訳ありませんでした。これからは自分で作るようにします。さようなら、黒胡麻担々麺という言葉。一ヶ月半ほど、ほぼ毎週、週に二回のこともあった、創作中華のお店でいろいろ食べたが、店の雰囲気、店主の接客、他料理などほとんどよく覚えておらず、後半これだけを食べることも多かった。ー辛いだけの刺激にあらず、滋養にもよさそうで、しかし中毒性があるので、手放しにおすすめしがたく、しかし、悠久な黒い河のように流れ落ちていくあの美は味わっていただきたくもありー　黒胡麻担々麺団長の返上。


<h4>3月某日　オーダーメイド・ウィークエンド</h4>


 わたしはここ数年着物研究をはじめており、戦前と戦後の着物の変化などを特に洋装との関係で調べてます。大阪は北新地で割烹やってるおかみさんに妹が大量に着物や帯をもらったので、新年にふんぱつして買ったわたしの帯にあいそうな紬をそこから頂戴してたのですが、織田作之助ならこれやろう、ということで、その紬と、結局帯は着物つぶして作った半幅帯で合わせ、出掛けました。

 「忘れじの人」が原作の本邦初公開の貴重な映像が出ると、情報もらった人（父）は鼻息荒かったですが、映画そのものもとてもよかった。「船場の娘より　忘れじの人」が公式のタイトル。主演は岸恵子で、モノクロでしたが、娘時代の着物の柄や、芸者時代の着物の着方との違いなど、はっきり映像でわかります。一緒に行った友人は、「オダくん」といまでも呼んでる老詩人が参加するトークショーが目当てでしたが、それもおもしろかった。織田作之助は、オダサク、と呼ばれることがあまり好きでなかったらしいですが、そのパロディか手紙の最後に「織田作」と書いて「オーダーメイド」とルビを振ったりしていたらしい。

 トークショーと映画の間の２０分ほどで、本においしいケーキと珈琲を三人でかきこみました。わたしの友達とご一緒さしてもらう父はいつも気前よく振る舞おうとし、お金遣うことが趣味みたいな人で、母にいつも叱られてるので、そばで見ているわたしは、なんだか複雑です。先日はお酒をご一緒させてもらった友達ともうまくミングルしており、今回も違和感ないように思いました。あとにもさきにもこのようなことは今回二回目で、不思議なサンガツです。

結局、カウンターでねぎ焼ときのこ焼きそば、渥美二郎を愛する若者のバーでカクテルを二種類作らせてもらい、最後は法善寺に本に近い友達の馴染みのバーで朝を迎える、仕事だけの日常のはずが、しばし息抜きもできた週末でした。


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    <title>No.2 （2007年４月）</title>
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    <published>2007-04-27T00:41:59Z</published>
    <updated>2007-06-28T07:14:16Z</updated>
    
    <summary>4月某日　もしや、神戸。 本日はハリウッド衣装展に行く。東京大丸、神戸大丸、そし...</summary>
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        <name>mari</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<h4>4月某日　もしや、神戸。</h4>


本日はハリウッド衣装展に行く。東京大丸、神戸大丸、そして京都大丸へ巡回する。なかなか見応えあり。モンローの花びらのようなピンクのシフォン、オードリーヘップバーンのMy Fair Ladyの衣装はビートンで、帽子に至るまで計算し尽くされたモダンに固唾をのむのだった。

衣装展はマニア向けというわけでもなく、数もちょうどいいし、新旧バランスよく選ばれていて、1999年に森英恵ビルで同内容の展覧会がすでにあったらしい、学芸員の方にヒアリングがてら、資料を見せていただく。神戸という土地柄か、ちょっと立ち寄って見にいこうみたいなお嬢さん方が多かったとのこと。たぶん東京の方は、何かヒントになる収穫はないか、とメモこそせねど、目が血走ってるような（わたしのような）お客さんが多かったらしい。

あ、これはもしやと、見覚えのある古いVOGUE誌がいくつか出品されているのを見て思う。ビートンがファッション写真に本格的に参入していった時代。東京では展示されず、また京都にも巡回されるかわからないという神戸ならではの貴重な資料展示だった。元町商店街にある一風変わったカフェ Azuma は、わたしも時々逃げ込む喫茶店だが、LIFE誌が店内の壁に飾られており、ファッション好きにはたまらない戦前の稀少な海外のファッション誌も硝子の小さな戸棚に飾られている。学芸員の方もお店に行かれておられるらしく、特別にAzumaさんのご厚意でお借りし展示できたということだった。


<h4>4月某日　あなたの服</h4>


本日は新入生合宿という泊まりの仕事の後、目をしょぼしょぼさせながら、一度家へ戻って、タクシーでサンボーホールへと急ぐ。プロレス観戦にでかけるためだ。プロレスのコスチュームの研究を長らくしていたが、わたしは女子レスラー中心だった。しかし最近男子プロレスのヴィジュアルパフォーマンスもおもしろくて見逃せない。

NOAHという、社長の三沢光晴のカラーであるグリーンがシンボル色の団体。小川良成選手、かっこよかった！ ランカシャー・スタイル（よくは知らない）と呼ばれるレスリングを得意とするテクニシャン。体は華奢だがしなやかで渋い動きをするベテランのレスラー。

白黒のゼブラ柄が彼の衣装スタイルだが、リングにあがるとすぐ、上半身裸の上に着用していたウェスタン風の黒い皮のヴェストを観客席に放り投げようとした。大ファンのわたしは、立ち上がるべきなのに、足が動かない。かなりいい席を取ってもらったので、ほんとうにすぐそば、目の前にいる。

ただ指を組んで祈っていた。手を伸ばして、声を出さなければ、求めてるものは掴めない。あかんたれのわたし。はじめてカメラを持ち歩かない自分を悔やんだ。連れていったもらった人はプロレスに詳しく、試合後は三宮のライブハウスで、シークレットライブならぬ三沢社長のトークショーがあり、それにも連れていってもらう。


<h4>4月某日　アクセル踏み損ね</h4>


やっと念願の生ガンズ（＆ローゼズ）と思ったら延期やって。残念無念。チケット払い戻しはなく7月に延びたらしいが、これもあるのか怪しい、アクセルのダイエット失敗？などと一緒に行く予定だった友人と好きなことを言っている。

 新しいタワー・レコード（アメリカの本体は倒産したが、日本は別会社で無事）の三宮店に大きな試聴サービスが入った。バーコードさえあれば何でも聴けるのが売りのようだが、わたしが選ぶCD選ぶCD、データが入ってないものならしく、聴けない。かえってストレスになるなあ。

 結局聴けなかったのでそのまま一枚買う。欲しかったものは在庫しておらず、予約で時間かかりそうなので、アマゾンで買おうかと思う。最近通販をほとんど利用しない。理由のひとつに、わたしのクレジットカードの期限が切れているらしく、新しいカードは郵送されているはずなのに家のなかに見あたらないから。

欲しいCDがあるのだがミュージシャンの名前が思い出せない。目の見えないブルースシンガー。若くして亡くなり、不運な人生を送り続ける。あなたは誰？その高い声を一生懸命に思い出す。


<h4>4月某日　なぜかは知らねど</h4>


友人から横溝正史のドラマシリーズ「金田一耕助の冒険」というCDをもらう。70年代の曲ばかりでエレキと笛の音などがうまくミックスされている（アナログの復刻版）。恐がりのわたしは、これ深夜に聞くのはなあとおもいながらも、女の叫び声が三味線でカットされまたエレキに戻ってとなんだか不思議なかんじにただよっている。しかしなぜこれをわたしに？とはじめは考えこむ。

今、横溝正史ブームらしい。去年できた神戸文学館ではミステリー小説の企画展が行われているらしい。神戸は探偵小説発生の地らしい。このCDはコンピだが、そのなかでは断然わたしは茶木みやこ。声に弾かれる。CDくれた友人も小学校時代からのファンのようで、神戸に茶木みやこ呼ぼう！などと盛り上がっている。わたしたちの小さな茶木みやこ（ピンクピクルス）ブーム。


<h4>4月某日 watch that man!</h4>


 家にあるシンセはやわらかすぎ最近欲求不満気味なので、ピアノを求めふらふら。弾きにおいでと言うてくれているお店はイベント中だった。あきらめて帰り道、古着物屋へ行くことにする。市場調査でよく出掛けている元町商店街。もともと老舗の呉服店が多いが、最近いろんな着物屋が新しくできている。

 相変わらずパンク音楽かけてるおかしな古着物屋がお気に入り。店で着物売ってるお兄ちゃんの知識は豊富で、ぜんぜんひけらかさないのが心地がいい。臙脂色の梨地の素敵な反物を見つけた。安いし即買い。「京都染め」というラベルがついてた。どういう染め方なのだろう。

新しい店員かと思い声をかけたおばさんはお客だった。客が客に着物を見立てている。鏡の前で楽しそうに話しをするおばさま方。このBGMで大丈夫なんかなあ。わたしとしてはずっと変えて欲しくない。着付けミュージックというのが、着物好きの友との間での話題になるが、わたしは絶対パンクロックでないと着付けできないのだ。

 
<h4>4月某日　おおきな魚</h4>


 大好物のタケノコが田舎から届くというので、急遽実家に帰ることに決めた週末。しばし大阪で羽を伸ばすつもりが、一緒に届いた魚たちと格闘することに。結局メインになったのがカワハギ9匹、鯛3匹。鯛は体長30センチはあり、鱗取りや骨抜きだけでも大仕事。朝まで生きていたらしく、お刺身にすることになり、頭は煮付けにしたけど、このあら煮がわたしにはたまらない。おろすのが大変そうなので、大量の塩で固めるオーブン料理を提案したら、母に却下される。いわゆるカワハギのキモ目当てに家族や親戚が集まったが、カワハギの皮はほぼすべてわたしが剥いで、食べる頃にはへとへとに。作業を手伝うとおいしさもひとしおだった。

 家帰る前に久々に立ち寄ったブックカフェのアトリエ箱庭では同店発行の冊子「Dioramarquis」のvol.2があがったばかり。わたしも原稿書いたが、去年ロンドンから帰ってきてすぐ書き下ろしたので、懐かしいかんじだ。一風変わったロンドン・ガイドとして読んでもらえるといいなと思う。わたしのエッセイは、もうすぐスタートするらしいアトリエ箱庭のサイト上にアップされるらしい。

 雑誌の目玉になる特集は、わたしも興味があるプラトン社。大正から昭和初期、クラブ化粧品などで有名な中山太陽堂を母体に持つ出版社だ。「女性」という雑誌や、当時の有名な小説家の書籍などを作っており、阪神モダニズム文化を担ってきたところ。資生堂のデザイナーになった山名文夫なんかも「女性」のイラストを描いている。

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    <title>No.2 （2007年５月）</title>
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    <published>2007-05-27T00:44:55Z</published>
    <updated>2007-06-28T07:10:42Z</updated>
    
    <summary>5月某日　やすみ、やすみ  と、浮かれていたが、それではあかんのだろう、叱られる...</summary>
    <author>
        <name>mari</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<h4>5月某日　やすみ、やすみ</h4>


 と、浮かれていたが、それではあかんのだろう、叱られるように、この連休中日、校正原稿がひとつ職場に届いた。連休明けに出さねばならいようだ。今年こそはと思っていたが、これならいつもとおんなじやん。働いている友人も多いし、完全に休みなんてはじめから無理だとわかっていたのだが。

仕事とはまったく関係なく、気分はクリーガーの対位法、わたしのぼろキーボードでいつまでも弾いていた。いろんな気持ちが入り交じっていて、ひたすら弾いていると、5月は来た、朝ごはん食べてから何も食べていないことに気付く深夜、ただ指を動かして。空腹なことに気付くとたまらなく空腹になってくるのでたちが悪い。少し離れたコンビニに行く。

 家からは遠い方のローソンの店長、しゃべりに特徴があり、抑揚がありリズミカルで素晴らしいのだ。しかし、接客は、かなりどんくさい。お釣り渡したり、レンジからあたためた商品出したり、電話料金明細書渡したり、かなり遅れており、というより先にすべて言葉が出るのだ。

 しかし、この声のトーンや音楽のように流れる言葉を体験すると、もう他のコンビニには行けないなあ。わたしの馴染みのスーパーやパン屋まで、のっとられそうな勢い。というわけで、冷蔵庫もやすみで何も入っておらず、今夜はハムとモッツァレラのトルティーヤで晩ご飯。明日は早いので眠らなければ。


<h4>5月某日　催淫作用ゆえ？</h4>


ゴールデンウィークも後半、大阪のサントリーミュージアムでやっているダリ展に行く。思っていたダリと違っていた。エキセントリックなイメージが強いが、すごく生真面目な印象。ダリが作っていたという本や、挿絵や生原稿なども並んでいる。文字が絵のようだ。友人に「ダリが好きなら、行かんほうがいい」と言われていた。ゴールデンにつき、騒ぎまくる子供を連れた家族客や、絵の前でなぜか抱き合っているカップルなど、頭かしげること多く、とにかく混んでるし、ダリどころやない、と言っていた。その日は雨だったからか、空いていて、とにかく本が見れたのがよかった。あとは「催淫作用のあるタキシード」などの、奇想天外な衣装作品にも弾かれた。無理してでも来た甲斐あり。


<h4>5月某日　叱られたい、やさしいから</h4>


 仕事の合間に目医者に駆け込む。好きな眼科医がいて、以前「眼帯ガール」という詩にもしたことがある。ゴールデンウィーク中に京都の京北町に山菜摘みに行き、その場ですぐ天ぷらにするという、繊維メーカー時代の同僚とのアウトドア行事があった。河原で裸足になり、ほとんど野生児のように、山菜摘みそこそこに山へ入り込み、はしゃぎまくっていると、枯れ枝が突然片目に突き刺さった。サングラスしとくべきだった！目の敵は強い日差しや紫外線だけではない。

白目の目頭近くに傷がついており、黒目は当たってなかったようで助かった。とりあえず応急処置にしたのが、冷蔵庫に置いてあった抗生物質入りの目薬。なんぼなんでも4年前のは古すぎる、とやさしいかんじで眼科医に怒られた。前も「おとなしくしとかな、見えへんようなりますよ」と、やさしいかんじで怒られたときも、すぐおとなしくした。もっと叱られたいなあ。ピアニシッシモなかんじで。


<h4>5月某日　Spring Mackintosh</h4>

 
 モンポウのショパンが
 舞い降りてくるような 
 季節の移り変わり
 大切な春のコート
 
 わたしの服
 知りませんか
 なじみのクリーニング屋さんに尋ねる
 顔見知りになってから半券を保管しなくなって

 煩雑なクローゼット
 アンドゥムルメステールの冬の服
 その複雑なデザインに紛れていて
 見えなくなっていたのだ

 ごめんなさい
 店番していた少年よ
 あなたは親身になって探してくれた
 春キャベツのようなお菓子をもっていく


<h4>5月某日　近況</h4>


研究室の後輩が編者になり、若手研究者中心に教養向け教科書を書いた。読み物にもなる仕上がりで、わたしは「ファッション」を担当。献本していた神戸新聞の記者がわたしの「近況」(というコーナー)として取りあげてくれるという。その取材を受ける。
　
「週刊ファッション情報」サイト内でも早々と本の紹介をしてくださる（ありがとうございました）。京都のナカニシヤ出版から発行の「知のリテラシー・文化」。血気盛んな知の集合体と言いたいところ。漫画にはじまり、ファッション、映画、音楽、建築、写真、絵画、美術工芸品、食文化、スポーツで終わる。

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    <title>No.2 （2007年６月）</title>
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    <published>2007-06-27T00:46:33Z</published>
    <updated>2007-06-28T07:12:52Z</updated>
    
    <summary>6月某日　赤い服の人  海を見にいきたい  月も星もなく  薄い白、薄いグレー、...</summary>
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        <name>mari</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<h4>6月某日　赤い服の人</h4>


 海を見にいきたい

 月も星もなく
 薄い白、薄いグレー、薄い水色の入り交じった
 海と空と砂浜の混じりあった 時間
 白い波だけがはっきりしていて
 わたしたちは薄い珈琲を飲み
 あなたはさっき買ったいい香りを巻いて燃やし
 わたしは貝殻を集めていた
 オレンジ色の綱の切れ端を見つける

 遠くの船が星のように煌めいている
 いくつもの窓
 赤い服の人
 あなたは海に入っていく
 スローモーションは人の体で作られる
 時間を折って　しなやかに
 削ぎ落ちていくもの

 海の赤

 - 田中泯の場踊り（須磨海岸）を体験して-


<h4>6月某日　幸福の来港</h4>


やっと完成。英訳担当していた漫画単行本「四コマ 幸福番外地」（幻堂出版）の著者西野空男氏が神戸に来られて、彼を囲んでの小さな出版パーティ。サインをもらう。いちばん苦労した頁の中の一コマ、she is a really pretty girl ! な絵を描いてもらって喜ぶ。キャッチセールスやハンサム商法のようなビジネスは外国にはないのか、何度説明しても共訳者のアイルランド人にはわかってもらえなかったのだ。わたしは翻訳料を本でもらうようお願いしていた。その幸福本は、なかなか商品を売ってくれない新開地の古着屋で「モンクレールのダウンジャケット」と交換してもらい、飲み代や宿代にもなった。つげ義春が好きという可愛い学生も買ってくれた。さて明日はどこへ流れていくのか。わたしも詩を書いているが、共訳者も詩を書いている。パンク音楽を愛するわたしたちが訳したこの不条理漫画はどう位置づけされるのだろう。


<h4>6月某日　クラブの人種差別</h4>


パリでそんなことがあったらしい。客になりすました覆面調査を警察がやり、白人なら入れるが、黒人なら入れなかったとか。クラブは罰金を支払ったという。

パリはアラブ系やアフリカ系の有色人種が多く、その人らの音楽がかっこよくて、90年代に入った頃からパリは新しい民族音楽を引っぱる世界的な街として知られている。

 なのに、なんでやねん、ってかんじで、かくいうわたしも、これは、うなずき、いきどおりで、ニュースに関心を向けたのが、ロンドンでおなじ目にあったから。

 人種だけでなく、セクシャリティの差別もある。アイデンティティにはethnicity, race, nationalityだけでなく、gender, sexualityもある。

 ある週末、ソーホーで、機嫌よく、仲の良かったアイリッシュの友人とパブへ行き、バーへ行き、最後クラブに行こうということで、列にならんで、わたしらの入場の番ってところで、わたしが止められた。

 「彼女は大人よ！」と彼は言ってくれ、二人ともIDカードとして学生証を見せた。わたしがゲイではなかったからだろう、と彼はいった。もちろん店の人にははっきりそうはいわれんかったが。

 Lesbian & Gay　のイベントやその嗜好の強いクラブでも、ヘテロとかホモとかつまりセクシャリティに関係なく、楽しめるはずなので、ほんとうに腹がたった。今はヘテロに＋黄色人種だったから断られたのだろう、とも思う。

 手をつないで歩いていた彼は、これまで見た西洋人のなかでもとりわけ美しい人で、服のセンスもさりげなく、背がものすごく高くて、睫毛もマッチ何本乗るねんってくらい長くカーリングしている。ゲイであることはしゃべり方ですぐにわかる。

 ほとんど女友達のようだったが、このクラブに入れなかったことが、わたしたちの幸せな週末に水をかけた。たしかに、男好きな男と手を繋いでいるわたしは、女好きな女には見えなかったのだろう。でも男好きな女という証明にもならいないはずだが、女好きな女に見えないという時点で、マジョリティに区分されるのは自然といえば自然。

 差別も一筋縄ではない。アイデンティティは錯綜している。なくてもこまるけど、あるとふじゆう。


<h4>6月某日　新しい服</h4>


わたしより一足早く先に、交流戦に出掛けた友人に調査頼んだ。ファンも新しいユニフォーム着てた？グッズ売り場に売ってた？なぜ、今、タイガースのユニフォームをリニューアルするのか。わたしはそれを知りたくて、考えている。もう売っているとのこと。報告、ありがとう。

ある日曜日。阪神電車で出かける用事が夕方にあり、西宮駅から急行に乗り換え、電車が西宮発だったので、とても静かで車内で本を読んでいた。梅田行きの途中の駅、大勢の人がドアが開くのをいまかいまかと待ち構えているのが見える。今にも洪水が起こりそうな勢いで。押し寄せてきそう。甲子園、甲子園、甲子園球場前、だった。もの凄いエネルギーが車両に一気に溢れかえる。みんな元気なので、阪神は勝ったのだ。

わたしの隣にすばしっこく座った人はたぶんソフトバンクファン。わたしの前に立っている人は、彼女に話かける「ええよ、ええよ、今日勝ったし、座って、座って」。会話のなかではなにかと、「勝ったから、いいよ」を繰り返し、静かに本を読んでいたわたしも、あきらめて、彼ら彼女らのなかに紛れ込む。みんなほんとうにしあわせそうなのだった。わたしは大勢が降りる梅田ではなく、途中で降りねばならなかったが、ユニフォームを着た人々と別れるのがとても名残惜しかった。

そのときファンのユニフォームはまだ変わっていなかった。古い服の桧山や鳥谷やらでいっぱいで。新しい服はタイガースっていうよりドラゴンズっていう感じがしてしまうのはわたしだけだろうか。早く調査に行かなければ。


<h4>6月某日　四コマ漫画詩</h4>


大衆食堂の詩人遠藤哲夫さんのブログ内に幸福本の書評（と言ってもいい！）を見つけて、喜ぶ。ちゃんと英訳を本全体のなかで「読んで」くれている。こんな読者もいるのだ。彼の文章のファンだったこともあり、うれしかった。ちくま文庫の「汁かけめし快食學」は、食べるということは人にとってどういうことか、このおかしなグルメブームのなかで、つつましく、愛情深く、食に対して書かれていて、大好きだった。


<h4>6月某日　個展の準備を</h4>


勤務先の大学もとうとうキャンパスが感染源となったのか、他大学には少し遅れて休講になった。休校ではないので、教員や職員は会議などの仕事で、通常通り大学内に入れる。しかし授業がないので、比較的時間に少しは余裕ができる。

7月にやる「詩と服の展覧会」の準備を少しずつはじめる。わたしの個展なのだが、5人の作家さんの作品を軸に空間を配置し、その空間を言葉で繋ぎ一つの詩にしていく、という展覧会。コラボとも共同展とも違っている。

 引き受けてくれた人から順番に簡単に紹介してみよう。大谷典子さん。彼女は草月流の師範でもあり、詩も書く人で、前衛にして伝統を愛する人、花の作品を出してもらう。渋谷萌園さん。古布を使ってつくる押し絵を出してもらう人、とても若々しくて80歳には見えず、わたしより感覚がモダンだ。佐藤貢さん。絵も描き音楽も作る人だが、わたしには彫刻家のような存在、2年前の彼の東京の個展でオマージュ詩を書いたことがあり、今回作って頂くものもそうだが「海からの漂着物を使うコラージュ」が定評。山本精一さん。以前もわたしの詩や文章にイラストを描いてくださったが、熱狂的なファンを多く持つギタリストで、音楽を作ってもらえることになった。戸田勝久さん。詩のことも音楽のことも詳しく、以前神戸での個展のための詩を書かせてもらったことがあり、それを手製本にもしてくださった多才な画家、今回は普段個展では出さないような絵を描いてくださるという。

ひとつの空間、ひとつの詩。まだDMなどはできていない。期間は7月27日から31日までの予定、期間中「着られる詩を作る」というワークショップも行う。会場は、本屋を以前営んでいたこともあるくらい本好き、藍染めの古い作品なども収集しておられる方がオーナーの、神戸の閑静な住宅街にある一軒家を改造した「ギャラリーAo」。最終の仕上げには、セントマーチンでファッションの勉強をはじめた自分の分身みたいな女の子にも手伝ってもらうかもしれない。

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    <title>No.3 （2007年７月）</title>
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    <published>2007-07-28T23:28:57Z</published>
    <updated>2007-10-04T00:53:22Z</updated>
    
    <summary>７月某日　everlasting No   イギリスは１９世紀の評論家トーマス・...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[<h4>７月某日　everlasting No</h4>
 


イギリスは１９世紀の評論家トーマス・カーライルの文章のタイトル。大学時代の授業で出逢ったが、それ以来思い出しては何度も読んでいる。７月末にやる展覧会にも大きく関係しているのだ。

教えてもらった人はもう亡くなってしまった。キャンパスが山のなかにあり、建物そのものが教会のようで、わたしたちは建物内をナースシューズで歩かねばならなかった。フェミニンなファッションが流行していた時代、神戸ファッションを牽引しているといわれていた女子大生たちが、きらびやかなスーツにやぼったい靴など合わせたいわけがない。

それで、ナースシューズをはかないで、ハイヒールでカツカツあるく学生が多かったが、その音を聞く度に、その評論家をわたしに教えてくれた先生は、追いかけて、掴まえて説教するので有名だった。いつかもう一度授業を聞きたいと卒業してからずっと思っていた。彼女こそ、いつまでもあきらめず、No!と叫んでいた人だった。

ナースシューズは通気性もよく適度なヒールがあって歩きやすい。最近踵部分にストラップがついた可愛いデザインのものを見つけた。色違いで二色。高機能素材でも、ファッション性もおさえている。そんな欲張りな望みはかなうのだ。まだ母校では上履きをはいているのだろうか。こんなナースシューズならきっと脱がなくてもよかっただろう。


<h4>７月某日　サバイバルライスサラダ</h4>


学期の終わり。月末の催事。慌ただしい毎日。
外食や出来合いのものばかりでは飽きてくる。
とにかく何か食べなければ。夜中に作ってみた。

ベーコンをとにかく切り、フライパンにのせ、火をいれる。
しめじとマッシュルームをざくっと切ってフライパンへ。
ほうれん草をざくっと切ってフライパンへ。
茄子を縦にざくっと切ってフライパンへ。
トマトをざくざくっと切ってフライパンへ。
少しお水を入れてしばらく火にかける。
洗っておいたお米をすぐ加える、ばらばらに。
それで火をかけ、調節し、できあがったら、しばらく蒸して、
食べる直前に、薄い薄いスライスチーズをのせておく。
ポイントは唐辛子と胡椒、塩はいいやつを少しだけいれる。
洗っておいたベビーリーフをたっぷりお皿に盛りつけて
イタリアンドレッシングを少しかけ、リゾットと一緒に食べる。


<h4>７月某日　Au revoir mon pere</h4>


 いまの家に暮らして七年経過した
 管理人さんが大好きだった
 朝出掛けるとき 「行ってきます！」
 朝帰ってきたら 「おかえりなさい」
 午前中しかおられなかったけれど
 ある日の午後
 仕事を終えた管理人さんを見かけたことがある
 中折れ帽に　涼しげで品のいい　すらっとしたスーツ姿
 これぞ神戸のジェントルマン！
 やさしい人が　かっこいい人に変わってた

 何も告げずにいなくなってしまった
 やさしくて　かっこいいひとだった
 さよなら　わたしの神戸のおとうさん！


<h4>７月某日　詩と服を展く</h4>


初日。当日山本さんの音楽がぎりぎりで届いたけど、わたしは前期試験で職場に午後は出なければならない。パソコンで再生したら、聞こえず、どないしよう、って、スピーカーを前日に搬入してたから音がしなかったことに気付いたのは、初日が終わる頃、、、。どんくさいわたしが、１時間でうまく出力できるわけなく、わたしがいないときに来てくださった皆さんにはヘッドフォンでしか聴けず、申し訳なかった。

NO展入場者の方に配布した、わかりにくい本展の言い訳として書いたガリ版冊子を、無理いって短期間で作ってくれた安藤さんがみえていたようで、お会いできず、とても残念。「きものであそぼ」がシリーズ化され好評の遠藤さんは、お友達と一緒に美しい夏の着物で来てくださってたよう。写真見て、実物見られず地団駄踏む。わたしの作品のポストカードをデザインしてくれた石井さん、忙しいのに無理言ってしまい、お礼もできないまま今に至っている。北園克衛展で初めてお会いして以来、詩誌を送ってくださる小西さんにもお会いできなかった。職場からギャラリーに戻ってきたら、東京の古本屋で知り合った中田さんが、たくさんのお土産を抱えて入って来られる。わたしのタッグパートナー平松さん、仕事なのかオフなのか何度も来場くださった。かわいいブーケ持ってきてくれた鼻歌シンガーのりうしくん、京都から重いカメラを抱え撮影に来てくれた友人星野さん、早く写真見せてね。


<h4>７月某日　グレコローマンな女体</h4>


二日目。NO展にはいろんな隠しテーマがあり、わたしにとっては、服を着たままお風呂に入っていることをイメージしていた。そのために浴衣を着ようと５日分準備していたが、初日はさすがに時間なかったので、この日は母と一緒に去年作った浴衣を着た。しかし着付けがうまくいかずすぐぐだぐだに。

会場に行くと待っていたのは神戸で伝説の本屋を営んでいた川辺さんご夫妻、その微笑みに救われる、着物を褒めてくれて。京都から出張して来てくれたのだと思ったらオフで、ユニークなお友達と来てくれた編集者の米谷さん、かわいいＴシャツ着ておられた。神戸でしか買えないイギリスの紅茶があり、そのお店を営んでいる小半田さんご夫妻も仕事の合間をぬけて。そして押絵を出してくれた渋谷さんが母と現れ、みっともないから浴衣を脱げというので、なくなったガリ版冊子を取りに行くこと兼ねて家に帰りたい、「あなたが主役よ」と叫ぶギャラリーの三谷さんの声を背に、パーティ準備が始まっているのに、妹の車で抜け出す。戻ったらロンドンで知り合った可南子さんと治郎くんが来てくれている。二人は可愛くてお洒落。知識欲旺盛な治郎くんは、服の作品に背負わせたカーライルの『衣裳哲學』に興味を示し、本と一緒に写真を撮ってた。しばらくしてプロレス本を一緒に書かせてもらったダンディな岡村さんが、同じくダンディな戸田さんもみえる。戸田さんは、前夜ぎりぎりで絵を搬入され、そのときにも展示の最終仕上げで大変お世話になったが、この日は照明のアイデアもいただいた頼りになる紳士。友達が続々登場、子供と旦那連れてきてくれたロコ、ワイン持ってきてくれたのにすぐ帰ってしまった吉成さん、タイガース狂のみっちゃん、タイガース卒業したもりごん、敬虔なカトリックのゆうちゃんなどなど。それから仕事帰りに近くのギャラリーで働いてる川瀬さん、以前素敵な古着物屋やっておられた（わたしの古着物はほとんどここのもの）菫さん、この日の衣裳同様に美しい青を描く三沢さん、同じく素敵なお召し物の龍首さん、パーティ佳境でロリータファッションのmarieさんと彼女のキュートな友達が現れる。「パーティなんてわたしにはどうでもいい！」とおたけんでしまったことを申し訳なくおもう。楽しかったし、おいしかった。芳名録にはないけど、作られた作品の花のように麗しく着飾られた大谷さんもお友達や先生と共に加わっていてくださり、妹は楽しみにしてくれてたのに言葉のワークショップにも参加できず、夜遅くまでパーティのホステスに徹してくれた。


<h4>７月某日　命の瞬（またた）き</h4>


三日目。日曜日であまり人は来ないだろうと思ってのんびりしていた。

鞄作家の七重さんが手作りの花を持ってやってきてくれると、いつでもどこでも彼女をエスコートしている（イメージ）中山先生が、現れる。二人は偶然にこのタイミングで来られたようだ。中山先生はギャラリーとカフェを併設している洋裁学校の校長先生だが、わたしにはお坊さんのような存在で本展にはぴったり。それからしばらくして、長い間（オンラインのこの場所で！）おつきあいさせてもらってきた「週刊ファッション情報」の館長と編集のmariさんが！館長はなんか思っていたのと違う、おもろいしめちゃくちゃかわいい人じゃないか、mariさんはチャーミングなストラップの靴を履いていて、大好きな人だったがもっと好きになった（わたしになんだか似ている）。今ここのが一番美味しいと思ってるカレー屋さんをやっている佐野坂さんご夫妻が思いのほか企画を楽しんでくださり、しばらくしてロンドンで知り合ったしほさんが現れる。彼女とはイギリスの方が断然売れてる日本人のバンドのライブに行ったときに、アダムという男前イギリス人介して仲良くなっていた。アダムもそういえば応援メールを何度も送ってきてくれた。本屋の娘さんリカちゃんとは久しぶり、神戸でブックカフェやってて準備段階から手伝ってもらっていた池田さん、初対面とは思えないほど意気投合した田原さん、近くでギャラリーやっておられるらしい所さん親子、終了時間が過ぎた頃、突然の雷雨。帰り道、鳩が死んでいた。

NO展の隠しテーマに、「生と死」があり、まだあたたかい鳩を植え込みに埋めることにしたが、その儀式に田原さんを巻き込んでしまい、大変申し訳なかった。


<h4>７月某日　はすの葉にいるカタツムリ</h4>


四日目。（これ全部読む人はいないと思うのだけれど、最後まで書こう。わたしとゆっくりお話しできず顔が浮かんでこない人、記帳されなかった人はご紹介できていない）最後の二日間、月曜と火曜で有休を取った。

モーツァルト喫茶の店長曽根さんが現れたが、作品まったく見てくれない。まあいいかと思ってたら、曽根さんの知り合いらしい画家の井上さんが来られ（パイプが似合いそう）、二人は偶然会ったらしく、いつまでも話しこんでいた。わたしのマイナーな朗読会にも来てくださっていた川崎さんが、図書館で働いている本好きの琴子さんと大阪でブックカフェやっている幸田さんが一緒に来てくださる（幸田さんの持ってきてくれた青いバラは枯れても美しいのでまだ家に飾ってる）。うらやましいほどのセンスにあふれる美容院やっておられる野崎さんご夫妻、一緒に来てくれた息子さんが本展を楽しんでくださり、木目込みのカタツムリの写真を撮って自分で言葉を書いてくれ、かわいくてかわいくて抱きしめたかったです。パリでファッション研究やってる高馬さんとお姉さんみたいなお母様が短い日本滞在のなか来てくださり、わたしが作ったＣＤの布ケースが欲しいと言ってくださった神野さん、値段をなかなか言わないでもったいぶっていたら、後日ギャラリーに素敵な琉球帯を持ってこられ、結局材料持参でオーダー頂いた（早いとこ作ります）。小説家の松野さん、待ち合わせしていた方がいらしたらしいのに現れないままで、アンティーク着物とジェーンマープルが似合う大崎さん、苔玉作家の井上さんとは鉄と花についていつまでも語り合いたかった。終了間際に電話をもらって声でわかったのだけれど「無理です、明日もやってますので」と冷たく言って、遠くから来られてるのにちょっと意地悪してしまった漫画家の森元さんはわたしの好物の桃を持参くださり、ギャラリーを閉めてから仕事帰りのタッグパートナーと落ち合い、三人でカレー屋さんに行く。


<h4>７月某日　裸体こそ衣裳</h4>


最終日、今日は浴衣にしなければ、夏以外大丈夫と言われていた黒い半幅帯を、この真夏に敢えて身に付けてみる。２０年くらい着ている浴衣だが、ものがいいので、ぜんぜんくずれない。着付けはこの日もうまくいってないが、帯締めにしたのが服の作品に使っていらなくなったツーピースのベルト、バックルがちょうど帯留めみたいになる。

四日間とも慌ただしかったので、最終日は受付を誰かに頼みたいなと思っていて、当てにしてたけど結局連絡しそこねた友人ミユキング（漫画描き）が、会場にいた。え、ミユキング、受付してくれるん？と言うと、彼女は、はあ？みたいな顔をしている。戸田さんが奥様と娘さん、そしてもう亡くなられてしまった版画家山本六三さんの奥様と娘さんを連れてきてくださり、すでにギャラリーにいた。わたしがいないほうがいいに決まってると思う。説明なんて本当はいらない。しかし、わたしを待っていらしたようで、申し訳なかった。東京のおかしな骨董屋でわたしが買った山本六三さんの作品のことなどをしゃべる。しほさんがハーフのかわいい娘さん連れて再度来てくれ、カレー屋さんご夫妻も三度目のご来場で、なんともうれしく。しばらくすると、東京からヤリタさんがいらしてくださり、藤本由紀夫さんの展覧会と掛け持ちで日帰りだという。大学時代の恩師、まさに恩いっぱい、テーマが特殊でゼミをたらいまわしにされ、図書館で孤独に本を読んでいたわたしにとっての支えだった高島先生が、大谷さんの花とわたしの服がとても似ていると仰り、いい批評をたくさんくれた。神戸の老舗書店の田中さんが、ギャラリーで制服姿というのが妙になまめかしく、シックな花を持ってきてくださり、編集者の高橋さんがすぐにいらしてお二人は顔なじみとのこと、高橋さんはわたしが十代で影響受けてた由良君美の言語学の本を編集されたという事実を知り驚いていると、彼の友達（わたしの父）が偶然にしてあらわれ、二人はギャラリーをすっかり古本カフェにしてしまった。しばらくすると、タクシー待たせてると言いながら、小説家の島先生が来てくださり、アボリジニの楽器（名前がおぼえられない）を演奏する伯山さんがわたしの出した課題（言葉のワークショップ）に実に真剣に取り組んでくださり、ギャラリーのオーナーのお知り合いで演奏もしてくださった。わたし好みのお庭の草花を持ってきてくださった豊岡さんが「詩の仕立屋さん」（半年間やってた新聞の連載）がおもしろいと言って読み込んでおられ、そしてわたしのタッグパートナーがまた現れて、NO展の打ち上げしてくれるというのだが、ライブツアーから戻られたばかりの山本さんから電話が入り、「いつまでも待ちます」とわたしは答えて、宴を放ったまま、日が暮れかかった頃、最終のご案内をするのだった。わたしが準備で何度もくじけそうになったときの励みにしていたヤクザ漫画を山本さんも持っておられるのを知る。

NO展の最後のテーマ：「プロって何？」



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    <title>No.3 （2007年８月）</title>
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    <published>2007-08-28T23:32:28Z</published>
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    <summary>８月某日　笑えぬ液晶 すっかりテレビを見ない生活を送っている。TVチューナーを買...</summary>
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        <![CDATA[<h4>８月某日　笑えぬ液晶</h4>


すっかりテレビを見ない生活を送っている。TVチューナーを買ったけれど、わたしのOSはOSX 10.39だからか、10.4対応のそれでは見れないようで、残念。テレビがなくても案外困らないことに気付く、というのは嘘で、ニュースはネットでチェックできるとして、関西人なのでお笑いが観られないのが至極辛い。毎日のように地元では色々とやってるのだ。笑えない液晶をぼーっと眺めている。

実家に帰った際、久しぶりのテレビで、グラシェラ・スサーナを見た。「２２年ぶりのNHKホールです」と司会者は興奮気味な風で紹介、しかし、一曲しか歌わせないなんて、ひどいなあ。一緒に見ていた父と、スサーナがいかに素晴らしいかを語り合う。久しぶりにその歌姫の声を聞きたい、とレコードプレイヤーにつなげ、別の音楽を。「アドロ・サバの女王」をかけるが、ところどころ、ぶつぶつと音が途切れる。
 


<h4>８月某日　女神の坂道</h4>


８月は仕事が目白押し。授業がないので時間に余裕ができるけれど、それを見越しての締め切り群。
 
NO展では不思議なことがたくさん起こった。そんな空間にまどろんで詩でもゆっくり書きたいところだったが、二日かけて一人で台車を使って搬出。擦り傷、切り傷、ねんざはないけど、打ち身、肩こり、筋肉痛がひどい。神戸の坂道をとにかくなめていた。下りがかなりきつい。108枚の服を着たボディはとりわけ重い。

朝から電話がなる。「あー、寝てた？」という友人の声で目が覚めて、「いつも、起きてる時間やからだいじょうぶ」といいながら、半分寝ているうちに、段取りよく、仕事の催促。わたしが社長ならあなたを必ず編集長として雇うだろう。頭が完全に起きたと思ったら、書くもん増えてるし！?

 「明日からしばらくお盆休みください」と書いて、ぱっぱと処理してファイルをメールで送る。パソコン熱ではないほんとの暑い夏を感じに行きたいのだ。

しかし、「盆休みがいつまでかわからないので、不安ですが…」と、すぐに返信のメールが来て、書き直し指示が出た。明日から、という、自分へ立てた約束のため、必死のパッチでリライト、我ながら、なかなかやるなあ、とおもう。休みたいから。

これは「映画でわかるイギリス文化入門」という本に入り、秋に出る予定。


<h4>８月某日　黒い蝶のような</h4>


いい匂いのする虫よけスプレー、タオルを首に巻き込んで、わたしの夏の恒例行事である京都の古本市へ出掛ける。最近浴衣のことをいろいろと調べている。結局入浴のことを知らないといけないので、お風呂の歴史なんかも読んでいる。これがとてもおもしろい。

しかし古い本は高い。江戸中期の吉原遊郭の版画が入ってる雑誌（和綴じ）を買うが、そのなかにあった平安期の甲冑の研究論考なんかも興味深い。お風呂というと、やはりエロティックな言説がつきまとい、おかしな本も買ってしまった。

一緒におつきあい頂いた方は昆虫博士さながらで、境内の杜にいた黒い蝶みたいな虫のことを教えてもらう。古本市の会場は歴史のある神社だが、わたしはこの古本市で決まって体中蚊の餌食になり、その痒みはものすごいので本をちゃんと見られないのが常だった。ここの蚊も古代から生きてるから、と言われて納得する。


<h4>８月某日　夏の祈り</h4>


わたしの愛犬、この猛暑でばてているらしく、昨日は点滴してもらって、病院に一泊したらしい。元気になることをただ祈るのみ。心配でいてもたってもいられない。

目下校正地獄、床に寝そべり、赤ペンをかりかりやっていたところ。ここが大阪なら、ペンを持つ手を舐めにきてくれるのになあ、と思い出していたところだった。

よりによって明日から出張せねばならんのに。なんでもっと早く知らせてくれへんのかなあ！と怒りになる。

わたしがややこしいことをしたからか、展覧会が終わってから家族がばたばたと倒れていく。すぐに妹が、そして母、続いて父と高熱にうなされ、点滴騒ぎ。あんただけが元気や、と言われる。わたしの毒が犬にまで回ってしまった。


<h4>８月某日　海の首飾り</h4>


つい最近も、搬出の手伝いがてら、で、駆け込み、みたいなことで、NO展でも作品出してもらった佐藤さんの個展、ワルツの解体。漂着物のかけらと漁師網をもらい、首飾りを作ったら評判がよく、気に入ってずっとつけている。本日も、搬入の手伝いがてら、で、侵入、漫画描いている友人の個展「チコとフランシス展」が神戸の古本屋ではじまるのだ。お菓子作りの好きな女の子とギターを弾くのが好きな男の子の新作漫画の発表あり。「おしゃれ漫画」らしいが、かなり壊れてて可愛い世界が炸裂。天井からはラムネがついたリボンが白滝のようにぶらさがり、自作のＴシャツやトートバッグも吊られている。

わたしはまだ一節分しか書いてない研究論文に戻らねば。締めきりは…、今日だった。


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    <title>No.3 （2007年９月）</title>
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    <published>2007-09-28T23:34:07Z</published>
    <updated>2007-10-02T23:40:23Z</updated>
    
    <summary>９月某日　倉庫のようなもんか 「イギリス文化」の校正原稿の宅急便が届く。結局４回...</summary>
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        <![CDATA[<h4>９月某日　倉庫のようなもんか</h4>


「イギリス文化」の校正原稿の宅急便が届く。結局４回に分かれて来て、本日のが最終便。遅れてもいいから、おねがい、メールやファックスで送らないでと祈っていたので、ほっとした。来たらどないしよう、とびくびくしてたら、ファックス音が。三井海運倉庫宛の請求書だった。以前はすごかった。毎日三井倉庫と間違われていたことがあり、そのせいでファックスが壊れたこともあったくらい。あとひとつ、ひさびさの本格的研究論文（ゴシックロリータ研究の三本目、もう終わりにしたい、三年越しのテーマ）を、やっと半分の文字数埋めることができた。残り２０枚、雑用に忙殺されてるを言い訳に、勉強ぜんぜんせずにきた自堕落な研究生活のツケで、まったく進まない。全部夏の宿題だったのだ。家の中は紙の海。塔にした本が歩くたびに倒れる。


<h4>９月某日　たたまれた服</h4>


９月にパリで共同展がある。作品がほぼできあがり、今日他人にはじめて見てもらう。好感触につき、もう完成にして、ぎりぎりEMSで送ることにする。

タイトルは、yukata（hana）biraで、yukata(hana)bira yukatabira yukata hanabi....浴衣と花びらがいつまでも遊ぶ詩をカードに書く。二色で色違いの浴衣布の上に、イヤフォンとカセットリボン、キューピー石鹸、花のドレスの写真など、詩のお楽しみ袋のような作品。発送のとき郵便局のお姉さんがやさしくて、一緒に苦手なフランス語を訳してくれた。ありがとう、今頃飛行機に乗ってるかな。

９月末の締めきりの評論のことを考える。家族論だが、何で書こうかな、ずっと映画づいてたので、映画ででも、と思うけど、服の研究してること思い出し、やっぱり服で書かなければ、と思い、しかしそれより先に書かねばならないものが、タンスの奧にしまわれた服のように、着られるのを待っている。

皺になって着られなくなってしまわないように取り出そう。この論文に入る本にはイギリス人の知人も書くことになっているようで、そういえば彼女の撮った写真でいいのがあったなあ、と掲載許可もらう連絡をする（「オーストラリア人の甘ロリの女の子が大阪はお好み焼屋ののぼりをバックに映ってる」）。彼女は最近 「Tokyo Look Book」というかっこいい写真いっぱいの本を出した。


<h4>９月某日　テンガロンハットとチューリップハット</h4>


大阪市内は南部で育ったわたしは天王寺界隈に思い入れが深い。
先日はとりわけ大好きな場所、あべの銀座をふらふらしていたら
馴染みの焼鳥屋の夫婦にみつかり立ち飲み屋に拉致された。
ふだんは寡黙で気難しい大将はテンガロンハットで
声が天井までつきぬけそうな女将さんはチューリップハット
今日はオフで温泉に行ってて、その帰りということだった
アルバイトに入っている（仕事が終わるとすぐ客になる）青年もいたのに
通り過ぎても気付かなくて、聞き覚えのある底抜けに明るい声でわかった。
大将はおもしろいし、女将さんはかわいいし、みんなやさしい。
知らぬ間に他の常連客も加わっていて、皆で店への愛を語りまくり、
食べたり飲んだりひとしきりした後、適当な時間になると、はよ帰りや、と言われる。
最近知ったが、この大好きな場所「あべの銀座」がなくなるらしい　
仔牛の脳漿フライ食べられた洋食屋とか、制服ではじめてデートした場所とか
想い出深いところがいっぱいあってあべのが変わっていくのがすごく寂しい。
再開発って誰のため？何のため？


<h4>９月某日　火を嗅ぐ</h4>


骨董屋さんでお皿を買ったときにもらった木箱のなかに、ペコロス（小さい西洋玉葱）と新じゃが（もはや新とちがう）が隠れていて、それらが腐って異臭を放っていた。冷蔵庫に入れない野菜はじゃがいもとたまねぎ、わたしは普段料理にほとんど使わないので、忘れられていたのだ（かぼちゃとねぎはよく食べ冷蔵庫にも入れる）。昨夜くらいから感じていたが、臭いの元は確定できず。すぐ取り出し捨てるも、その木箱のなかには実に色んな物が入っており、それらがどうにも復活しようがなく、すべて捨てる。ちょうど明日はゴミの日。しかし惜しいものが沢山あった。

そんななかに名刺が一枚。薄い紙なのに、とにかくにおいが強烈。先日久しぶりにお会いした方のものだが、そのときたまたま新しいのをもらっていて、わたしに火薬女になれと言ったその人は、5年前にはじめてお会いしたけれど、臭い名刺はそのときもらったもので、しかし、なぜこんなところに？ちょうど今日その人のことを思い出していたので驚く。においとは恐ろしい、窓開けて風を入れても、お香たいても、何やってもとれない。唯一生き残ってた好きな京都の喫茶店のマッチで、その人の古い名刺を燃した。そのとき火薬のイイにおいがした。


<h4>９月某日　脱</h4>


一つの体にどのくらいの服が着られるのか
一つの頭でどのくらい煩い続けられるのか

 その答えを今日もらう
 わたしは行き先を間違ったけれど
 わたしははじまりの鈴に間に合った
 切符を買ったから
 それだけが理由じゃない

 方違え　肩？他我？得？


<h4>９月某日　足踏みミシン</h4>


戦後の日本の映画や小説を資料にして、今調べ物している。ミシンが普及しはじめて、洋裁の内職が家庭を支えた時代、戦争未亡人が多く、家は困窮している。家族論を書くためだけれど、まだ雑誌資料が十分揃っていない。今日は近くの古本屋で婦人雑誌の付録などを集めてくる。

頼まれた仕事をちゃんとこなせばいい、そんなかんじで日々が過ぎていく。稿料などは多くを期待せず、一生懸命書く。わたしにとって書くことはいつも身を削りながらで。けれども、印刷物になってできあがってくると、疲れはふっとぶから不思議だ。

連休中に今年の大仕事が舞い込んで来た。来年にもかかってしまいそう。はじめての試みだが、本を編集することになった。わたしでいいのだろうか？曲がりなりにもこれまでいろんな編集者を見てきた。書き物を大切にする、それは人を大切にすることーそれだけは忘れないように、丁寧に仕事をこなそうと思う。


<h4>９月某日　のぞみすてずに</h4>


二年前の９月末、阪神タイガース優勝時の甲子園球場で失くして以来、携帯電話を使っていなかったけれど、今年の優勝かけた試合が次々に負け続きなので、勝利祈願もかねてやっと新しいのを買う。落とした一台目もずいぶん古いものを使い続けていたので、今のは音も光も眩しすぎて、ほんとうにやっていけるのか？と思う。

資料探しに出た馴染みの古本屋さんでいろいろ雑談。偏屈だと思われているようだが、ぼやいている店主はとても可愛い方だ。本をいろいろ買った後に、カウンターのショーケースにピストルズのライブ盤ＣＤ（花和輪一がジャケットのイラストを描きおろしてる）があったが、そんなの出てたの知らなくて迷うも、電話を買うために我慢した。

連絡があった友人たちと久しぶりに会う。しばらくして気付いたが二人ともカラフルなセルロイドのメガネをかけていた。今メガネ流行ってるもんなあ。そういえばメガネも買わないといけない。テレビもやかんもないし。行きつけの飲み屋さんにワイン持ち込んでスモークサーモンとうだうだやっていると、「優勝なくなったよ」と使い慣れない電話にメールが入る。のぞみむなしく。


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    <title>No.4 （2007年10月）</title>
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    <published>2007-10-29T06:53:59Z</published>
    <updated>2007-12-29T06:59:52Z</updated>
    
    <summary>10月某日　　キラキラお釈迦様 今フリマボックスにはまっている。一箱のスペースを...</summary>
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        <![CDATA[<h4>10月某日　　キラキラお釈迦様</h4>


今フリマボックスにはまっている。一箱のスペースを月ごとに賃料を払って借り、好きな商品を好きなように並べるシステム。仕事の資料集めによく行く図書館のそばにあるので、一仕事終えて息抜きに立ち寄る。

一箱ごとに世界がある。洋服、靴、財布、本、陶器など置いてあるものも様々で、もはや単なるリサイクルショップとはいえない。そこは手作り市のような空間で、おもしろくてあっという間に時間が過ぎてしまう。わたしが通っているところは、商品の回転が速く、また空いてるボックスはない。買い物客も次から次へと入ってきて、籠を持ってまとめ買いしてる風景も珍しくない。人気スペースのようだ。

今日はひときわめだっていたボックスがあった。今ラインストーンやビーズなどで何でもキラキラさせてしまう「デコ」が流行しているが、デコ文化発祥の町である神戸らしいボックスというべきか。箱いっぱいの小さなキューピーがタイかインドの王子様のようにデコられている。わたしは金と茶のきらびやかな衣装をつけた携帯ストラップを購入。友人はそのデコラティブなキューピーにシャカムニというあだ名をつけた。


<h4>10月某日　　死んでも働きもの</h4>


テレビで死んでからも働いてる人のことを特集していた。どのくらい経済効果があるのかが計算されていて、エルビスプレスリーとジョンレノンがダントツだった。ジョンの誕生日が１０月９日で命日が１２月８日。この時期なんかいつもイベントをやっている。

ジョンの魂よ永遠に、とか、平和を実現しよう、とか、誕生日とか命日というタイミングはわかりやすいのかもしれないけど。こないだニュースになってたポール（マッカートニー）の慰謝料とかもすごかったしなあ。ポールは死んでないか。

ビートルズは死んでも働かされてる感じがしてしょうがない。今自由にテーマ選ばせて英語で文章書かせる授業をやっていて、ビートルズと今の音楽の影響を選んだ学生がいる。死んでから疲れることはないと思うが、これだけ働いてたら安らかに眠れないような気がしてしょうがない。


<h4>10月某日　　おかしな終曲</h4>


時々ピアノを弾きに行ってたお店が最終日。ぎりぎり間に合って出かけると、マスターがわたしの好きなアイスクリームをサービスで出してくれる。一抹の寂しさを感じながら話す。閉店でなく、オーナーが変わり、店はリニューアルされるという。

もう多分行かなくなるだろう。明るくも暗くない照明は心地よく、時代を経ても美しい良質のビロードの椅子、目新しい食べ物も飲み物もないが信頼できるシンプルなメニュー。古くて良いものがなくなっていく。すべてはお金と考えたくないけれど、利益を度外視していた経営方針のためだったと聞いた。

大好きだったグランドピアノはどうなるのか。マスターとピアノにありがとうを言う日。わたしはモーツァルトのソナタを弾く（簡単なやつ）。これでもかというくらい速く弾いて、おかしな終曲になった。


<h4>10月某日　　いい店とは</h4>


一点しかない、丁寧に手作りされる、個性的ー価格と折り合いがつけば、どうしてもわたしは作家ものに目がいってしまう。いいお店とはいい商品があることだと思うが、いい商品だけでいいのだろうか。

日頃何かと世話になっている妹の誕生日に何をあげようか迷っていた。忙しさにかまけてとっくに誕生日は過ぎている（ジョンと同じ日）。休日によく歩く町へ出ると、ヨーロッパにある小さな家のような素敵なアクセサリー店ができていた。イタリアで修行したという美しい女性がアトリエ兼ねて店を開いたばかりらしい。数字をモチーフにしているもの、レースを使ったもの、繊細なだけでない精錬されたデザインがすごく気に入る。お茶をいれてもらいながら長いこと作家さんと会話が弾む。結局妹の好きな鳥を美しい真鍮を用いたデザインで作ってもらうことになった。

ここまではよかったが、わたしはその時お金を持ち合わせていなかった。代金を支払ってから制作に入ると言う、それは当然だと思うけれど、もうとっくに誕生日は過ぎていて、なんとかわたしとしては10月中に間に合わせたい。後日、できるだけ早く作ってもらいたくて店に行ったら、店は開いているのに、あのときの作家さんはいなかった。その時店に居た人にはうまく事情が伝わらないのがもどかしい。

休みを取ってるらしく、急かすように休日に連絡してもらうのも憚られ、しかしまたすぐ来店する日がわたしも取れない。デザインは信頼して最終おまかせします、と言ったけれど。誕生日プレゼントで急いでいるのも彼女は知っていると思うけれど。ああどうにかならへんもんなんかなあ。

あと何回店に来ないと品物が手に入らないのだろう？それを考えると、合理化されたサービスを求めてしまう自分がいる。あるいはもっと家庭的で融通のきく対応を。　作品と商品、作家と店主、バランスを取るのは大切なことに違いないが、わたしは「お客」でしかないのだ。


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    <title>No.4 （2007年11月）</title>
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    <published>2007-11-29T06:55:28Z</published>
    <updated>2007-12-29T06:58:34Z</updated>
    
    <summary>11月某日　　　燃えろレオ マッキントッシュの新しいOSが出る。新しいやつはLe...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[<h4>11月某日　　　燃えろレオ</h4>

マッキントッシュの新しいOSが出る。新しいやつはLeopardという名らしく、ただしくは「レパード」と発音するけど、マック狂の友人と通称「レオ」と呼んでいる。アイコンが３Ｄで表示されたりするらしいよレオ、というかんじで、最近のもっぱらの話題。

注文していたがなかなか届かず、やっと到着。わたしはこれでテレビも観られるようになるはず、だった。持っていたTVチューナーは古いOSでは対応しなかったからで、早速そのチューナーを差し込みテレビ放送を受信してみたい。

長時間をかけて、飲みに行く誘いも断り、さっそくインストールする。深夜にやっと終了。まずはTVチューナーを。本日のプロレス放送にぎりぎり間に合うか。しかし、サンテレビと日本放送協会の二チャンネルしか受信できない！電波も至極不安定。

録画の野球放送ではアナウンサーの声が割れ（sun）、松たか子は鬼のような形相(nhk)になってて怖い。役に立たないワンセグチューナーを捨て、液晶が泳ぐように流れ出している見られないTVを再び出してきて、ヴィデオキャプチャーとつなぐ。つまりビデオを通してUSBポートでパソコンにつなぎ、パソコンモニターでテレビ放送を見ることができないか、いつまでも格闘する。


<h4>11月某日　　　ゴスロリマンガ</h4>


何年越しかで準備してきた漫画ができあがった。もちろんわたしは絵が描けないので、原案を作った。つまり原作者として。一緒に作ることになった漫画家さんと何度も打ち合わせをしてきた。ゴシックロリータの資料を山ほど貸し出しされて、お気の毒なほどだった。

取材と称して自宅へ来てもらい、わたしの拙いヴィヴィアンコレクションなどを公開することもあった。ある日、明石焼を食べながら打ち合わせした際は、あまりにも盛り上がりすぎて酔っぱらい、帰り、電車の方向を間違え、姫路まで行ってしまい、家に帰られなくなったこともあった。

タイトルは「ペダンチック・ラブ」。掲載先は決まっているが、まだ予定なので、正式に決まったら、またここでお知らせをしたい。世界との摩擦、繰り返される日常、おかしな格好はいとをかし？、あまりにも表層的、がキーワードのファッション漫画。


<h4>11月某日　先払いは当然？</h4>


ネットオークションが定着したからだろうか。個人で経営をしている人との取り引きに最近違和感をおぼえることが多い。商品が来る前に代金を先に支払いをすることは当然なのか。

わたしは研究資料を集めるために古本屋とのやりとりが多いが、梱包も丁寧で、対応も迅速で、後払いがほとんど。つまり古本屋さん（大体個人経営）では先払いが当然ということはほぼない。以前はそれが本に限ったことでもなかったように思う。

先日立ち寄ったギャラリーで椅子を予約したが、購入見積書がすぐにメールで送られてきた。商品の見積書は添付ファイルだったが、メールをよく読むと、とにかく先に指定銀行に代金を振り込まねばならないらしい。なぜかそれに違和感を感じてしまった。

最近ネットオークションなどで強引なかんじの一方的なやりとりをする人が多いような気がしている。作家さんはとても感じのいい人で、わたしが長年求めていた椅子で、一目惚れだった。直接作り手とゆっくり話をして、いい印象だったからなおさら感じる違和感。

先に支払いをするのは当たり前なのか。まだ商品も手にしていないのに、無事届くかもわからないのに。


<h4>11月某日　　ひと風呂浴びてきましょか</h4>


「日刊タイガース」に名前変えなあかん！と言われるくらい阪神情報満載のスポーツ新聞がある。その『デイリースポーツ』で長くトラ番記者をやっている改発記者さんの人気コラムが本になった。その本『「とらのしっぽ」が明かす　岡田の法則』の書評を書くことになった。

毎試合の総評だけでなく、色んな裏話、グルメ情報も楽しめる、野球の魅力に溢れた本。本を読んでいた喫茶店で、上園投手が今年のセ・リーグの新人王を取ったことをふと手にしたデイリー紙で知る。マウンドにむかう姿は夕涼みのよう、帰る姿は湯上がりのようーそう書かれるほど、迷いのない落ち着いた投手。

ファッション研究者としては、ユニフォームの話などもおもしろかった。コシノジュンコを起用して新調された交流戦のユニフォーム。デザインとしてはいいかもしれないが、機能性に欠けるという指摘。テレビでは大丈夫でも、蛍光色の黄色が甲子園球場では光った背番号や名前を見えなくしてしまうらしい。

コラムの軽快さは本になっても衰えず、一冊にまとまるとシーズンをまとめて振り返ることができる。おもしろくて、どんどん進むので、これなら書評もすぐ書けるなあ、と思いきや、だんだんそのペースが落ちて来る。ファンとしての自分は、いろんなエピソードに感動して心がざわめく、泣いてしまうこともしばしば。あの後半の怒濤の闘いとその結末を知っているから、読むのが辛くなってきて、結局原稿は難航した。そんな心情とは裏腹に、おもいのほか書評は好評だった。


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    <title>No.4 （2007年12月）</title>
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    <published>2007-12-29T06:57:04Z</published>
    <updated>2007-12-29T06:58:34Z</updated>
    
    <summary>12月某日　ブリキの湯たんぽ 今年は秋らしい秋もなく気付いたら冬だった。だいぶ冷...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.fashion-j.com/uffd/">
        <![CDATA[<h4>12月某日　ブリキの湯たんぽ</h4>


今年は秋らしい秋もなく気付いたら冬だった。だいぶ冷え込んできたので、去年買った湯たんぽを出している。使いはじめたきっかけは、しもやけがどんなことをしても治らなかった友人が、５本指ソックスと湯たんぽで完治したらしく、その優秀さを熱く語っていたからだ。

その湯たんぽ、今年ブームだというではないか。湯たんぽといっても、色がカラフルで、形もさまざま、プラスチックなどの軽状なものが売れてるらしい。わたしはしもやけもないし冷え性でもないけれど、不眠気味でふとんに入るのが憂鬱だったのが解消された。

友人の強い勧めにより昔からのブリキのものを使っている。お風呂に入った後、熱湯を入れ、眠る前にふとんのなかの足元のあたりに入れておく。去年はタオルを巻いていたけれど、今年は自分で布を買ってきてカバーを作っている。火傷しないようにという安全性はもちろんのこと、表面が濡れていても大丈夫で、汚れるのを防ぐという機能性もかねている。

経済的で、地球にやさしい、そして可愛いというのが新しい湯たんぽの歌い文句らしい。わたしもよく眠れるようになったし、エアコンの温度を上げるよりも、体の芯まであたたまるような気がする。カバーを作るのが面倒なら、手ごろな枕カバーでも代用できる。昔の人は朝になると湯たんぽのなかのぬるま湯で顔を洗ったらしい。


<h4>12月某日　サバイバルミナリエ</h4>


本日締め切りの書類をなんとか仕上げ、一番近くて一番遅い時間まであいている郵便局へ急ぐ。郵便局に場所の確認しようと電話すると、そこはルミナリエ会場を通らなければならないらしい。

こんなときこそ携帯のカメラで撮影、と思うも、わたしのモトローラは不器用で有名なので、光が真っ白にぼけて映るだけ。色鮮やかな電飾はそこには納まらず、夜の風船がぼんやり浮かんでいる。しばし観光客気分でゆっくりしたかったが、そのあとも用事に出かけねばならず、駆け足で通り過ぎた。

震災復興を願って始まった神戸のルミナリエ。今年で１３回目。現在冬ののイルミネーションは色んな所で行われていて珍しいことでもないが、ルミナリエの光には特別な意味がある。財政難で来年開催は危ういとささやかれてるので、いつもより多い目に募金した。みんな募金すればいいのになあ。


<h4>12月某日　　友人の論文</h4>


今ゼミくらいの規模で英語の文献を読む授業で、ヴィヴィアン・ウエストウッドについて書かれた論文を読んでいる。イギリスらしさとは何か、ファッションにとってのナショナル・アイデンティティについて考える。これは若い学生たちに、現代ファッションのなかの「日本らしさ」という戦略について考えるきっかけにもしたい。

朝一コマ目からの授業もあり、週二回となかなかハード。できるだけ映像資料も提供できるように、コレクション映像やインタビューを見せたり、インターネットなどでファッションだけでなく絵画（ヴィヴィアンは絵画にも大きな影響を受けてる）も例証したり、とても有意義で、自分でもやってておもしろい授業だ。

英語をいかに読むか、ただ翻訳するだけでなく、どう読み取るのか、問題意識を持ち、議論できるようなところまで狙いたい。この論文の入った本は、イギリスに出張したとき購入していたが、一年後、ロンドンでその論文の著者とひょんなことで知り合いになった。

彼女とわたしは同じ誕生日、ヴィヴィアンウエストウッドの研究を同じ時期から始めていた。同じような問題意識を持っていたこともあり、とても仲良くなった。おまけに当時住んでいた所が同じ南ロンドン、そして家もご近所さんだったことで縁は続く。彼女は美術史、わたしは人類学だったが、10年前には同じロンドン大学で学んだこともわかった。

忙しさにかまけて、今年は彼女にクリスマスカードが送れなかったことを思い出した。授業が終わって論文を全部読み終えたら、連絡してみようと思う。いい文章書いてるなあ、地道に研究してるなあ、と彼女のテキストに学びながら、ロンドンの賑やかなクリスマスに思いを馳せるのだった。


<h4>12月某日　やわらかい手</h4>


もうすぐ今年も終わろうとしている。１２月に入ってから、なんだか記憶がない。毎週毎日のように何かしら締め切りに追われていてあっという間だった。冬のシーズンは何かとイベントが目白押しなのに、ほとんどのお誘いを断り、授業と締め切りをこなすのに精一杯。

先月書いたタイガース本の書評のおかげで、その作者にお誘い頂き、地元の名士で成る「神戸岡田会」主催の夕べに招待された。はじめは、わたしなんかおこがましい、と思い、まわりのタイガースファンにも恨まれる、と思い、神戸のホテルで行われるらしい盛大なパーティに畏縮していたが、そもそも書評を依頼してくれた記者も誘ってくれて、結局行くことに。

岡田監督、広沢コーチ、久保田投手、そして上園投手が会場にいる。なんか夢みたいだ。タイガース本の作者である改発記者と初めて挨拶をする。料理もとてもおいしかった。参加している人たちはみんな選手たちと写真を撮りたくて声をかけずにいられない様子。

プレゼント大会では、サイン色紙やパネルなどの他、ユニフォームやミットなどが参加者に当たる。タイガースのユニフォームを着ているちびっ子がサイン入りのミットを当てたようだ。「誰の当たったん？」と声を掛けると、「久保田さん」と礼儀正しく答えた。「ええピッチャーになりや」と言うと、「はい」と元気良く返事して、恥ずかしそうに走っていった。

一番最後のプレゼント、岡田監督のサイン入りユニフォームを当てたのは、番号「８０」を持っていた少年。監督の背番号である偶然に会場がどよめく。わたしは上園選手と握手してもらった。投手なのに手がぜんぜんごつごつしていない。投手だから手を大事にされているのだろう。飾らない素顔に触れてますますファンになってしまった。


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    <title>No.5 （2008年１月）</title>
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    <published>2008-01-31T06:17:03Z</published>
    <updated>2008-03-31T08:13:13Z</updated>
    
    <summary>１月某日　いっちょうらです 毎年のことだが、お正月、実家は近くて遠い。いやしかし...</summary>
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        <name>mari</name>
        
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        <![CDATA[<h4>１月某日　いっちょうらです</h4>


毎年のことだが、お正月、実家は近くて遠い。いやしかし今年は、と、段ボール箱に本をたくさん入れて宅急便し、年末から大阪に帰ることにした。いつもは大晦日に詩賀状（年賀状用に詩を新しく書き下ろす）を用意して、年明けて宛名せっせと書いて出して、おせち料理にありつきたい、で、帰郷というパタンだが、今年は詩を断念。休むことに集中しようとやっきになっている。正月休みをゆっくりしながら、届いた本で仕事しようと思い。

恋と空という文字が結構似ているなあ、などと思いながら年賀状のこと気になりつつの大晦日、実家に帰るからと言っていたから、年末のタイガースの会でデイリーの写真記者に撮ってもらった写真をタッグパートナーが大阪に送ってきてくれる。引き延ばされてて、かなりでかい。上園投手（黒いスーツ）、わたし（黒いスーツ）、タッグパートナー（黒いドレスに赤いストール）。地元の商店街の小さなカメラ屋が「一日で作ってくれる」というから、写真と葉書を一緒に出し、薄緑の鼠が付いた文例を選び、刷ってもらうことにした。最初で最後の写真付き年賀状。

宛名は手書きで、一言メッセージくらい書こう。「結婚しました」ー３人で？違うしなあ。左から、タイガース期待の新人ピッチャー、わたし、神戸の友達、と吹き出しでも。黒いスーツは、５年前、NHKに出るかも（結局撮影したがお蔵入り）ってときに買ったヴィヴィアンウエストウッドの、カット＆スラッシュ時代のデザインを施しているもの。着るのは二回目。「いっちょうらです」「さて、わたしはどれでしょう」など色々と文言考えてると面倒になってきて、これなら詩書いた方がよかった。


<h4>１月某日　終わりまで弾かせてよ</h4>


親戚が毎日のように入れ替わりでやってくるのでホステスをがんばることにする。

おせち料理はすでに山のように出来ているし、わたしと母が一緒に台所に立つと絶対に喧嘩になり、「もう、あんた、どっか行っとって」となるので、調理場で手伝いたくてもやらせてくれない。いったん何かひとつ担当したら、自分のやり方で最後まで仕上げたいよね。お吸い物作るなら、醤油の量、具材を入れるタイミング、どのお椀にどのくらいの量入れるか、とか。やりたい、やらしてよ。洗いものの仕方でも、なんでも、盛りつけでも何でも。お皿選びでも何でも。わたしは主婦歴ゼロ年だが、主婦歴長い妹の場合、基本的に実家では手伝わないし、頼まれても母の言う通り言われるまま行うので、台所で仲良く楽しくやっている。自分の方が料理がうまい、とか、母を信用していない、とか、そういうわけでは全然なくて、ただ、やるなら全部自分でやらしてよ、なだけなのだ。

まあそんなかんじで新年は明けていき、放映当時は数回か見たことあったが、玉木宏くんの指揮者が可笑しくて格好良いので、「のだめカンタービレ」の一挙再放送と新年のパリ編を、明けても暮れても見てしまい、録画してくれた父が苦心してコマーシャルカットまでしDVDに焼いてくれたので、また二回目を全部見たりして、完全にはまってしまい、「のだめ」のせいで何もできなかった。


<h4>１月某日　贈り物から</h4>


寒々しい神戸にひとり戻り、送られて来た年賀状を読む。この時しか連絡し合わない人もいるから、なかなかやめられない年中行事。「年賀状は贈り物だと思う」ー民営化した郵便局のコマーシャルで言うてたのは誰やったかな。坂本龍一？BGM担当やったかな。あと、父にも届いていたが、わたしにも吉永小百合さんから年賀状が届いていました。お返事、どちらへお送りすればいいのかしら。あとブルーベリー？やったかな、全然知らないが会社だが、ご丁寧に。わたしがブルーベリーヌと呼ばれていることもご存じなのかしら。
冗談はこんなとこにしといて、届いた賀状で印象的なものを少し紹介。著作権とか大丈夫かな。すみません。

泣きました編　「立っていられなくなったら、一度、倒れてみる。」
東京にいる旧友コピーライターより。いつもでかい文字で一文だけ送られてくる年賀状。めまい気味のわたしにはじんときました。

温かい助言編　「氷コーヒー飲み過ぎて体冷やさんようにね」
会社時代の同期より。去年の冬、何年ぶりかでOL時代の友人達と会った。待ち合わせ前は高槻のミスドに行ってて時間に遅れたので叱られ、帰りは皆で車降りたら途端に見つけて歓喜し、解散後は茨木のミスドに直行。わたしが氷コーヒーを一人飲んでいたことによる。

驚きました編　「マルタ共和国へ（中略）渡航致します」
御殿場の友人より、なにかやらかしてくれるとは思ってたけど、まさかそんなところ（どんなところ？）に働きに行くとは、がんばってください！

うれしかった？編　「呪文のように手品のように詩を書かれると思います、あこがれます」
ずっと年上の詩人、同人誌で一緒の方より。「呪文」が少し気になりますが、まあいいですよね、今年詩賀状を準備できなかったので、それでやや後ろめたい気持ちにもなる。

え、そうなんですか編　「ヤンキー文化研究会（地下活動）は今年も細々と続けていこうと思ってます」
２月にスピーカーで呼んでもらっており、久々に上京！できると思っていたのに、入試業務が入り、あえなく辞退。しかし、地下活動って、、わたしの予定していたテーマはそういえば「露莉威詫」（ママ）についてでした。

答えがわからない編　「ネズミにチーズ、パンダにササ、ヒトには xxxx ?」
ずいぶん前に一度お世話になった大好きな編集者の方より。京都で会いましょう、を合い言葉に何年過ぎたかなあ。今年こそ！さて、クエスチョンは４文字のようですが、何を入れるべきか。食べ物でいいのかなあ、わたしには、xxxx....


<h4>１月某日　なかなかの強敵</h4>


学生が貸してくれた小説を読み終わる。その学生を教えている授業の新年一回目が近付くので返却せねばならない。おもしろいから一度に読み終わるのが惜しくて、何度かに分けて読んだ。個性的な雑貨屋が舞台で、ややわかりにくい女の子（わたしのようだ、と思う）が主人公。彼女は話すのが苦手だが、書くと止まらない。同じ小説家の本をわたしも持っていたので、わたしも一冊貸す。赤い本と青い本の交換。わたしはゴールド（しかしもはやシルバーみたいになってしまった）のヴィヴィアンウエストウッドのシールリングをいつも身につけているが、彼はあこがれのアーマーリングを身につけている。ナックルリングやったかな？雑談でよく音楽の話になり、わたしが大人げないのかもしれないが、感性も鋭く知識欲も旺盛な彼はわたしのライバルである。


<h4>１月某日　闇の中へも風は吹いて</h4>


年末から実家に宅急便した本２０冊。結局一冊も一頁も開けなかったが、連休でそんな冬休みの宿題をやっている。１０月から取り組んでいる編集作業で、１１月は順調に進んでいたが、１２月は手をつけることができず、年内が無理だったので、１月中になんとかしたい。仕事は贈り物のようであり、光の浮揚、酢い記憶、言わない、教えてね、と展開していく。文体を損なわず、そして黒のロジカルに、わたししかできない編み物を、と思い取り組む。本年度中にあがって来る論文一本、あとのびのびになってた共著の校正、本年度中に仕上げないといけない論文一本、催促があり思い出し、催促が来ない別の一本も思い出した。近々散文詩も書下ろさねばならず、個展用にと頼まれているがまだ作品見せてもらってないので、これまたぎりぎりか。久しぶりに指導教官から電話があり話しこむ。研究室の就職状況は思ったよりも厳しいらしい。映画の好きな指導教官と映画の話になるが、秋から映画一本も見ていないことに気づく。夜の空は雲に覆われているが風で少しずつ流れている、晴れている小さなブロックは闇だがそれは仄明るかった。


<h4>１月某日　「なりたい」古本屋</h4>


１８の頃からお世話になっている神戸の古書店、後藤書店の最終日。閉店を聞かされたのは１１月、神戸在住の画家戸田さんと喫茶店で珈琲を飲んでいるときに教えてもらう。年明けから異例のセールをするという。ああ、さみしい。阪神大震災の後神戸に長いこと出掛けられなかったのと同じような気持ちで、なかなか足が向かない。数ヶ月そんなかんじで過ごして、欲しかった本が残っていたら、と思い、出掛けることにする。

大学時代、神戸の女子大に通っていたが、わたしは授業にろくに出ずに図書館（通称旧図書館と呼ばれる、古い本が多くて天井の高い美しい建築物の方）で本ばかり読んでいた。いまでこそ「服を着ることと詩を書くことはわたしにはおなじです」とか「現代ファッションを研究しています」などと言っているが、当時は受け入れ先のゼミが決まらず先生をたらいまわしにされたり、自分は「言葉とは何か」ということを突き詰めて考えているつもりだった。自分の学問的興味が大学というシステムのなかでは受け入れられないのかと絶望しかけていた。そんな若いわたしには、旧図書館以外に逃げ込める場所は古本屋で、後藤書店はわたしの先生でもあった。

通いはじめた２０年前からあこがれだった古い詩の雑誌でまだ自分が持っていなかった巻を見つける。そして自分の現在の研究の興味である近現代の服装文化を扱った貴重な本を見つける。後藤書店が先生であり続けた理由は実に色んなジャンルを押さえていること。美術書や文学書もそうだろうが学術書にとって古い資料となる本がいまここに手をのばせばある、ということは、探究心を持ち続けていく上での支えになる。昔は洋書が高くて買えなかったし取り寄せるのにも時間がかかったから、２Fの洋書売り場はお金もなくて研究者を志しはじめたわたしには本の在処を知る事だけでも心強かった。

本を抱えてレジに向かうと、いつもは見かけないが閉店を惜しむ客で賑わう店を助けているらしい女性の店員さんが「たくさんありがとうございます。本が、いろいろですね」と言ってくれる。おもわず押さえていた感情がこみあげそうになり、「いつも後藤書店でいっぱい勉強させてもらいました、とても残念です」というのが精一杯。いまではもう遠い昔のような、すねたように思いつめているわたしと、気難しいけれどやさしかった恋人との待ち合わせの場所でもあった。詩人という仕事、研究者という職業、あこがれのために勉強する、わたしには語り尽くせない「なりたい古本屋」の閉店。（結局５０００字くらいのエッセイにまとめましたー近刊『樂市』62号）


<h4>１月某日　紫の似合う女になれ</h4>


友人の水墨画展があるので、またまた乗りで（ほんと乗りやすい）、搬入の手伝いと個展用の詩を書き下ろすことにする。タイトルまで付けるのを手伝ってしまい（思いつきで言うたら、それいい！とかそんなんで）、まあ、もう、詩はええですよね、とかなんとか言って逃げようとしつつも、乗った舟が風に乗って進み出しているように、結局書いた。

水墨画といっても、なんだか変なのですよ。すべて蛙が描かれていて、それがとても愛らしかったりするのですよ。小さな蛙が赤ワイン飲んで酔っぱらってたり、カリンバを弾いていたりするんですよ。彼女自身はふだんタンゴを弾いている人ですが。わたしは、見つけて欲しいかくれんぼ、をテーマにした詩「霞に遊ぶ」を書きました。神戸の北野坂にある Galley Corot という、個性的な木のにおいに包まれた良い処でした。

後日二人だけの打ち上げをする。差し入れにもらったという上等そうなシャンパンのロゼ。おつまみは変なのだがこれがよく合う「元祖ボール」（触感がなんともたまらず止まらない、鶯ボーロににているお菓子）。亡くなったおとうさんからいつも「紫の似合う女になれ」と言われて育ったのだという。詩以外での小さなお祝いにと紫色の蛙の指輪をプレゼントしたら、そんな話をしてくれた。「少女」でも「女の子」でもなく、紫の似合う女性はやっぱり「女（おんな）」なのだ。


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    <title>No.5 （2008年２月）</title>
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    <published>2008-02-29T06:20:43Z</published>
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    <summary>２月某日 　不協和音に鳴るマンガ詩 後期授業の最終日。後期は出講日が４日で殺人的...</summary>
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        <![CDATA[<h4>２月某日 　不協和音に鳴るマンガ詩</h4>


後期授業の最終日。後期は出講日が４日で殺人的、また授業が４日間に渡ってまたがっており、緊張が取れない。週の真ん中に一限目の授業が二日間続き、睡眠もうまく取れない。週のはじめ月曜日は、途中で何をしゃべるのかすっかり忘れてしまったり、週の終わり金曜日になると、突然授業中耳が聞こえなくなったり。ああ、わたし、だいぶ疲れてるなあ、倒れるんじゃないか、と思いながら、日々を過ごしてきた。

日本人として英語を書き、世界とコミュニケーション（ネゴシエーション）するという授業。提出課題のひとつに、去年出た、わたしが翻訳した四コマ漫画の一ペイジを使う。「もったいない」という日本語が、世界で注目されて久しいが、彼らはそれをどのように訳すだろう。それも漫画のなかの台詞としてだ。

四コマでとりあえず完結するから、その小さな世界全体を理解する必要がある。キャラクター（情けない一労働者）を理解する必要がある。コミュニケーションできる英語（言葉）であることが必要である。学生はなかなか良く取り組んでくれて提出物を読むのが何よりの楽しみです。本が出る前だったら、いいのを採用してたりして。

というのは、共訳のアイルランド人（詩人でもある）とは長い時間をかけた翻訳作業中、色々大変なことが多かったが、この「もったいない」はすごくスムースにいいシンプルなフレーズが見つかったのである。さて、この漫画本ですが、翻訳料の代わりにもらったわたしの持ち分は、献本したり、服や別の本や飲み代や宿代の代わりになったりで、ほとんどありませんが、版元の幻堂出版やセミ書房にならきっと残っていると思います。神戸新聞誌上の１月最初の日曜朝刊では、京都国際マンガミュージアムの吉村さんがすごくいい書評を書いてくれています。


<h4>２月某日　薄く淡く澄んで高く舞う柔らかなスタイル</h4>


今年は「眠たい、忙しい」を言わない、と決めて、仕事する人というアイデンティティだけの人間としては生きないぞ、今年は遊ぶぞ、と決めたのだが、「遊ぶぞ」がやっきになってる感じで、遊ぶ事自体がストレスになります（なんでも必死になりすぎたら駄目ですね～）。

本日はしかし遊ぶ日です。楽しみにしていた「Mの会」（＝本の秘密結社？）に出掛ける。わたしの一番の楽しみの目的はMのファッションプレート。ファッションプレートってなんか味気ないパタン化されたものも多いですよね。しかしMのは違う。芸術です。

Mは２０世紀初頭を中心に本の挿画家として活躍したヨーロッパ人、また当時はイラストレーターという仕事はなかっただろうから、雑誌や絵本やいろんな絵を描いています。また舞台装飾などの場面にも仕事を拡げているので、そのスタイルはテアトリカルでもあります。そして、ファッションプレート。

本の秘密結社なので、Mの収集家の方の名前は明かされない。古いビルの一室が会場、集まったのは（到着した人順）詩人／ファッション研究者（わたしです、一番乗り）、製本家、画家、近代文学研究者／医者、造本作家２名、版画家、ライター／図書館員、雑誌編集者、コピーライター、全部で１０人。

「Mの会」準備室が始動した際には２冊しかなかったはずなのに、本日は段ボール二箱分にわたる、Mの作品を知る事のできる古書の山、山、山。収集家の方は原書を読む勉強もされており、わたしはその衣裳、スタイル、時代について、ぜひ新しい研究テーマにしたいのです、と告白します。

この日のBGMを頼まれていて、何にしよかなと悩んで悩んで、半年ぶりにiTunesを使ってCDRを作る。しかし、もっていった白い盤には何の音も入っていなかったらしい（流していたらしいけど何も鳴らない）。流れているはずの音楽はモンポウのショパンでした。

本を眺める前にはまず手を洗い、できれば手袋着用。本を手に取って見るときは、しゃべってはならない。マスクを持参していなかったわたしは、首に巻いてたフォックスを口に当てながら、口の中に動物の毛が入るのに抵抗しつつ終始不慣れに拝見しました。ほんとうは、隣に座っておられた手袋とマスクをしていた造本作家さんが本を開くのを、横から見るように心がけていました（触ると手が震えるのです）。

会が終ると、お腹もすいて喉も乾いてきます。小さなパーティのはじまり。いままで見た事もない野菜が籠いっぱいに盛られ、本の代わりに色々なお酒がならびはじめます。小さな空間はもとから本の部屋であったかのように、本は本棚に移動してしっかりと立てられ美しい背を向けて並んでいます。若き小さき者であるわれわれをみているかのようです。

わたしは白ワインと赤のワインをまぜた飲み物に、星の形をした薄緑の野菜をスライスして浮かべ、ユベシと呼ばれる大きな物体から出てくる果汁を垂らし、スパイスを降りかけて、ミクソロジストになってみました。


<h4>２月某日　魅惑的な三日月</h4>


一人暮らしが長いのに食べ物を冷凍するのが嫌いで、アイスクリームと氷以外は冷凍室に何も入っておらず、冷凍食品も一度も買ったことがないのですが、先日実家に帰って冷蔵庫のフリーザーを開いたらギョーザの袋が面出しにつき大変びびりました。父はそういえばギョーザをよく焼いて食べてましたが幸い該当のものは食していなかったようです。

連日テレビのニュースで餃子事件が報道されるためスーパーで餃子の材料が良く売れているらしい。冷凍食品はさすがに買う気がうせるだろうから手作りしてでも食べたいということなのかな。

わたしも昔よく中国人留学生に教えてもらい皮から作った。小麦粉に水を入れ固さを調整しながら練って、ちょうどいい大きさを取って、掌でまるめながら、すりこぎなどで薄く円くひろげていく。みなでおしゃべりしながらやると楽しいし、自分の好きな具も入れられるし、何しろ餃子は材料が安上がりで皮の作りたてはもちもちしておいしい。

わたしはエビが好みで韮やニンニクはいれず小ぶりにたくさん作ってあっさりと酢醤油で食べるのがいいです。あとスープにも入れたり。そういえば旧正月で神戸は春節祭で盛り上がるシーズン。書いている先から餃子が食べたくなってきました。しかし中国の対応は最強なかんじで、解決まで長引きそう。月が餃子の形に見えてくる。食べたい。


<h4>２月某日　海から来たカラフルな宇宙</h4>


和歌山在住の造形作家佐藤さんの個展。日本橋商店会のなかにある宝石店を改造した大きく強いガラスが輝かしいショーウインドウを作る新しいギャラリー亜蛮人。ぎりぎり駆け込む。

佐藤さんの作品としばらく戯れた後、心がその空間のなか子供のようにたゆたう。わたしはそこで簡単に仕事を済ませる予定だった。来るはずだった知人は仕事で間に合わず、終った後に待ち合わせて打ち合わせ、といっても、あまり時間がなく、沖縄料理店に駆け込む。

大阪の日本橋は東京でいえば秋葉原、通称オタクストリートってのもあるんですが、わたしは噂に聞いた事のある古着物屋に行きたい。でも時間がなかった。残念。

海から流れる漂着物から作られる、大きかったり小さかったりする作品。スーパーボウルボトル（勝手に命名）が可愛かった。海の水のなかで浮いたり沈んだり傷ついたり滑らかになったりした球は、中心にある色を失わないでいるカラフルな小さな地球。そんなスーパーボールでいっぱいになった実験室にある古いガラスのような透明で不透明なボトルに入っているその作品が好きでした。欲しいけど、やっぱり作品の値段書いてないし。

去年の夏、自分の詩服展やってから、音楽が聞けなくなった。正しくは、そのとき作ってもらった京都在住の音楽家山本さんの音楽ばかり聞いていたのだ。そんなかんじで３ヶ月ほど経った頃、佐藤さんが送ってきてくれたCD（たぶんレコードから録ったもの？）には大好きなロバートワイアットの声がたくさん入っていて、長い眠りから目が覚めた。山本さんの音楽は多岐にわたっていてたくさん聴いてきたけどどんなものでもわたしは興奮する。しかし夏の展で作ってもらった音はわたしの不眠症を解消してしまい、それからは別の音楽に興味がなくなってしまった。自分の自然音になってしまっていたというか。

タイトルはRock vol.2。タイトルもミュージシャンもわからないものが多いですが生命エネルギーに満ちた色んな声が入っていました。とりあえずわたしは起きました。


<h4>２月某日　セルフセラピイ</h4>


中島らも原作のプロレス映画「お父さんのバックドロップ」が昨夜深夜にテレビで放映されるというので、とても楽しみにしていたが、ものの１５分もしないままに眠ってしまい、明け方ジャパネットたかた社長の張った声で目が覚めた。神戸も今年は雪が結構降っている。今朝はすっかり晴れで青空がひろがっているが、ま