其の十:東京砂漠をふらり歩く遊牧民

無言の反戦運動?!

1967年頃から、アメリカでベトナム反戦を唱えていた若者の間で広まった自然回帰主義のヒッピーだが、日本では、ヒッピーを模しただけのシンナー遊びのフーテン族が新宿を占拠したという。前衛芸術を志したアングラ族も同時に存在した。また、学生運動のメッセージ的な役割も果たしたと聞く。新宿の街の持っている広大な包容力みたいなものが、脈々と受け継がれているような場面に遭遇した。イラク戦争の影響もあってか、新宿駅南口で、アラブ風スタイルの女性の姿を見かけた。灼熱の砂漠を颯爽と歩くロングチュニックな女性達は、砂漠のような都会に似合うのかもしれない。

アフガニスタン暫定行政機構の当時のスタイリシュなカイザル議長を髣髴とさせる。現実のアラブ女性たちのスタイルというよりも、様々な国々のスタイルをリミックスした日本バージョン。それでも、草木も生えないような広い砂漠で生きる女性の姿がダブってしまう。先の見えない失業、無職時代は、まさに人やビルさえ無機質な砂のように見える。オアシスを求めて突き進む遊牧民。ゲンダイは、ふらりフラフラ風来坊が似合う。どこに行くかは風まかせ。それでも、戦争を阻止する勇気だけは、いつまでも持っていたい。

2003.5.2 (和)

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